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ジビーフ「コージー」入荷もあいかわらずの肉質に一安心。いや、いつもよりおいしいかも。

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今月もなんとか一頭の出荷がありました。9月7日にと畜した「コージー」くん。見た感じは大きく見えたのですが、枝肉にするとなんてことはない299kgでした。近江牛の枝肉が平均500~600kgですからどれほど小さいかがお分かり頂けるかと思います。そう思うとエサの影響って大きいですね。ジビーフは人の手からエサを与えられることはなく、すべて自然まかせです。お腹が空けば自生している笹や木の芽を食べ、ストレスが溜まれば野山を駆け、暑い日は木陰で休んだりと自由気まま。アスリート体型ですから身も引き締まっていますし、太ることもありません。

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ここまでの写真は毎回の出荷ごとに、生産者の西川奈緒子さんから送られてきます。この時点では写真でしか判断できないのですが、ほぼ安定している肉質ですから大きな変化はなく、私からは水分量を調整するために枝肉の発送日を指定するだけなのです。

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と畜から12日目でこんな感じです。水分の多いジビーフですから北海道の加工業者さんから届いた時点でどうしても表面に黒ずみがでてしまいます。冷蔵庫の仕様にもよるのでしょうが、いかに肉を理解して管理できるかが重要なのです。ここをサボるとおいしくなってくれません。

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中身はこんなにも鮮やかな小豆色をしています。サシなんて無縁のジビーフですが指を当てるとしっとりと水分がまとわりつきます。水分を抜きすぎるとレバーのように肉質がもろくなり鉄分が強くなるので、ここでもやっぱり毎日の管理がとても重要なのです。

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ワインの話しを少ししますと、人為的な介入を避け、自然に任せた造り方のワインが流行っています。自然派とかナチュールとかビオとか呼ばれていますが、造り手や販売者はそんな呼び名はどうでもよくて、背景に共感し、液体を気にいっているから使っているだけだと思うのです。少なくとも私の知り合いはそんな感じです。自然派を強調するような売り方は牛肉でいうところのA5を看板にしている飲食店に似ているようにも思えます。ビジネスのやり方と好みの問題ですから私がどうこういうことでもないのですが、なんか牛とワイン、そしてチーズは似てるんですよね。

先日お会いしたタルマーリの渡邉さんは、イーストや市販の天然酵母は使わずに自家培養の天然酵母のみでパンを作っています。酪恵舎の井ノ口さんのチーズ作りも基本的な考え方は同じです。乳や乳酸菌の本質を理解しているからこそ彼にしか作れないチーズが誕生するのです。パンもチーズもワインも突き詰めると「個性」だと思うのです。だからこそ作り手の個性が作品に乗り移り、それを良しとする人が支持して広まる、いわゆる共感の輪が後押しする形で、あくまでも金儲けは後付であり好きなことをやっている人が強いのかなと最近つくづく思ったりします。

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「コージー」くんの成績表です。中学生だったら親呼び出し、高校生だったら留年です。和牛にとっての格付けはひとつの指標として生産者も購買者もなくてはならないものだと私は思っています。ただ、現状の格付け制度には物申したいことがあるのも事実であり、かと言ってなくなると困るのもまた事実です。しかしながらジビーフにとっては格付けなんてどうでもよくて、生産者も流通者も料理人も食べる人もA1やB1の評価で一安心というおもしろい現象が起きているのです。「らしい」と言ってしまえばそれまでですが、なんとも時代に逆らっているようでおもしろいですです(笑)

さて、今後の出荷ですが、10月に一頭(その時点で28ヶ月令の♀)、11月(その時点で29ヶ月令の♀)と12月(その時点で28ヶ月令の♂)に一頭づつを予定しています。問題は年明けなんです。H26,11/11生まれの♂(来年の1月で26ヶ月令)のあとが、 H27、4/4の♂……これが来年の2月だとまだ22ヶ月令で早すぎます。 H27、5/20♂……来年の3月だと22ヶ月令 H27、6/22♀……

こんな感じで年明けの出荷が前半ピンチなのです。自然まかせなのでどうしようもないのですがお使いいただいているみなさま、どうぞご理解くださいませ。

 

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