格付けは一つの基準でありモノサシでありおいしさはあまり関係ない

部位はランイチであったりウチヒラであったり、シェフと相性の良い肉を選ばせてもらっている。格付けや生産者を限定せず、そこに拘る必要もない。シェフが求めている肉に仕上げるのが僕の仕事であり、気がつけばシェフとの付き合いも20年を過ぎていた。
20年前と比べると格付けというより一般的にはA5の肉という認識が浸透しているように思うが、20年前に最上級と呼ばれていた肉と現在のA5の肉はまったくの別物です。
僕の場合は、買い付けのときに基準として格付けを参考にするけど、そこになんのこだわりもなく、うちのお客さんの好みを優先すると赤身が強くて少しサシが入った肉を選ぶようにしている。
昨夜いただいたランプ、しっとり焼かれて艶かしくシンプルだが肉が主張していた。付け合せも不要なくらいだ。
「○○のシェフが使っているのと同じ肉が欲しい」と問い合わせいただくことがある。面識のあるシェフなら分かるのだが、問い合わせいただくシェフの情報もなく、ましてや料理も食べたことがないとなると難しいのです。一つの部位をシェフの好みに合わせて手当てしていくので、かなり個性的な肉に仕上がるのです。フライパンで焼くのか、炭で焼くのか、薪なのか、これだけでもかなり違ってくるのです。
技術があればおいしく料理できるとは思いますが、それだけじゃないのも料理だと思うのです。二つとして同じ個体がないので、肉を選びシェフに届けるということは簡単じゃないのです。
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