まさしくハレの日のご馳走になりつつある牛肉事情
公開日:
:
2016/03/14
近江牛

滋賀では週2回(月・木)に市場でセリが開催されるのですが、今日のセリは異常なほど高値でした。繁殖農家さんの廃業や飼料の高騰などで牛不足=高値の図式が昨年から続いていますが、さすがにここまでくると尋常ではありません。A4が軒並み3000円を超えてくるし、経産が2221円でしたからね。数年前なら500円ですよ。4倍ですね。共進会や共励会ならご祝儀相場もあり高くてもある程度は納得できるのですが、今日なんて通常のセリですからね。いやはやこの先どうなることやら・・・
同業者のみなさんも嘆きしかありません。最近は「高いなぁ」が挨拶代わりです。高く買い付けたからといって、お客様にじゃー値上げします。というわけにはいかず利益を圧迫しながらどこまで耐えられるかといったところが私たち業界の現状です。肥育農家さんは高い仔牛を導入し、高いエサを与えてこれから約20ヶ月ほどかけて仕上げていくわけですが、そのときにもし相場がおもいっきり下がっていたらと考えるだけでゾッとします。そんなことを考える農家さんも多いと思いますが、仔牛を導入しないわけにもいかず、空っぽの牛舎を眺めていても売り上げにならないのが現実で、だれも得しない危機的な状況なのです。
こういった事態に敏感な消費者は気づきはじめていますが、一般的には情報が回りきっていないので「最近、肉高くねー」てな感じなのです。そうやって少しずつ牛肉から離れていくのが一番怖いのですが、朝の情報番組も覚せい剤で逮捕だのだれだれが殺されただの、出勤前にしんどくなる話題ばかり。たとえ1分でもいいから高騰し続ける牛肉の裏側みたいなことをしっかり伝えてくれれば、消費者の意識もかなり変わると思うのですがいかがでしょうか。
関連記事
-
-
熟成に理想的なA2の肉
WardPressの仕様が変わってから、どうにも使いにくくて更新も前みたいに頻繁じゃなくなってきまし
-
-
プレミア近江牛と3種の和牛を官能検査で数値化してみるとおもしろい結果がでた
おいしいものを少しだけ まさしくそんな言葉がピッタリな一皿だ。 この一品は、7月
-
-
おいしさの方程式って「商品+環境」だと思うのです
農家さん(生産者)との会話で、度々出てくる「うまい牛」というワード。「食べておいしい肉」にな
-
-
経産牛の再肥育についていろいろ思うこと
経産牛、つまり子供を産んだお母さん牛のことですが肉屋レベルでの扱いならおそらく全国でもかなり
-
-
格付けは一つの基準でありモノサシでありおいしさはあまり関係ない
部位はランイチであったりウチヒラであったり、シェフと相性の良い肉を選ばせてもらっている。格付


















