近江長寿牛(経産牛)のすばらしいこと!これこそ貴重とか希少というフレーズにふさわしいと思うのです

「幻の〇〇牛」ってフレーズをよく聞きますが、さすがに誇大表示だなと思うのです。そもそも幻って実在しないものが目に見えることですからね。あっちにもこっちにも幻の肉があったらおかしいですよ。
希少とか貴重も同じで、わざわざ表示しなくても牛は個体差がありますし、同じものは2つとないのである意味すべての部位が希少だと思うのです。ミスジにしろカイノミにしろ、サーロインだってリブロースだって工業製品じゃないので同じものは作れませんからね。
ところで、今日入荷してきた近江長寿牛(経産牛と呼ぶには忍びないので近江長寿牛と名付けています)こちらはかなりレアですよ。滋賀は肥育農家さんが大多数で次いで繁殖肥育一貫農家さん、そして少数ですが繁殖農家さんがいます。とはいっても、繁殖農家さんを知る人はほとんどいなくて、農家さん同士のつながりもないんじゃないかな。それこそ幻の存在なのです。
仔牛を産ませて出荷するまで10ヶ月程度が繁殖農家さんの仕事ですから、人との関わりがほとんどないわけです。もちろん私たち肉屋が関わることも通常ではあり得ません。
ただ、レアなケースもあって懇意にしている農家さんたちが情報を回してくれるので、状態の良い経産牛が私のところには比較的多く集まってくるのです。こんなことを言ったら叱られそうですが、通常の近江牛より経産牛のほうが味わいがあって個人的には好みなのです。扱いが難しいので精肉にするには多少の問題点をクリアする必要があるのですが、手当てさえ間違えなければかなりおいしくなってくれます。
『よしえちゃん』の脂はややクリーム色ですが、真っ白な脂よりじつはおいしかったりするのです。肉色も少し濃いかなという感じですが、これもよしえちゃんの個性です。あ、よしえちゃんというのはこの牛の名前です。
幻とまでは言いませんが、こういう肉こそが希少であり貴重だと思うのです。
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