すばらしき地産地消、考え抜かれた料理に感動とともに背筋が伸びたのでした

滋賀の名産、鮒ずし。滋賀県民なら一度は口にしたことがあると思うのですが、最初に食べた鮒ずしが明暗を分けるんですよね。苦手な方はやっぱり臭いかな。独特ですものね。さて、某レストランでいただいた鮒ずしは芸術的な美しさでした。ソーテルヌのゼリーとクリームチーズ、レモンの果肉で鮒ずしの概念を壊してくれました。もちろん、鮒ずしのあの臭いは健在です。これしきのことで消える鮒ずしではありません。でも、すごくおいしくてあの臭いすらおいしく感じるのですから、まさにマジックです。湖面を泳いでいるかのようなお皿にしばし見惚れながら堪能させていただきました。これならワインにもよく合いますね。


添えられたパンは、琵琶湖のヨシを練り込んだもの。春頃には琵琶湖の沖合いから鮒の仲間たちが内湖にやってきて枯れたヨシの上に卵を産みます。このようにコース仕立てでいただいた料理にはすべて物語があり、滋賀をまるごと楽しんでもらおうというシェフの心意気が感じられました。地産地消は一歩間違えれば食材ありきで、味がおざなりになってしまいます。しかし、シェフの料理は食材の良さを引き出し、食べ手を感動させる愛が溢れていたのです。私自身も改めて滋賀を見直す良い機会となりました。

何も申し上げることがありません。ただただ、おいしかった。その一言に尽きます。
関連記事
-
-
霜降り肉は体にいいのか?
至福の時を演出する 霜降り肉(→クリック) 霜降り肉の魅力は「甘さ・柔らかさ・とろける食感
-
-
プロの仕事ぶりに大いに刺激されながら超繁忙期を迎える年の瀬
今年も残すところあと少し、肉屋はこれからが忙しくなります。年末年始のサービス業は稼ぎ時でもあ
-
-
Tendronタンドロン
肉屋でアウトといえばハラミのことですが、正式名はアウトサイドスカート(隔膜)といいます。アウトが
-
-
ウィリアムと柳瀬さんとセヴェロオープン、そして不思議なメンバーで牧場見学
パリ14区のル・セヴェロといえばステーキの名店。そのセヴェロが明日18日、西麻布にオープンし
-
-
肉焼きの上達のコツは場数とセンス
あるイタリアンのシェフは、パスタはお湯の中で泳いでいるのを見ただけで茹で加減がわかるといいま


















