肉焼きの上達のコツは場数とセンス
公開日:
:
2015/04/19
店・料理人

あるイタリアンのシェフは、パスタはお湯の中で泳いでいるのを見ただけで茹で加減がわかるといいます。またあるフレンチのシェフは、肉が焼けている音で火の通り具合がわかるといいます。いろんなシェフとお付き合いがあるなかで、私が感じるのはやっぱり場数とセンスだと思うのです。
シェフの好みに合わせた肉選びをするのが私の仕事ですがこれがむつかしい。牛は個体差によってまったく同じものはありません。もちろん似たものはあります。シェフとやりとりしていくなかでだいたい思うような肉に辿り着けるのは1~2年かかります。2~3回のお付き合いで疎遠になる方も入れば、何度も何度も意見交換しながら2年目にやっと理想の肉に巡り合ったといっていただけることもあります。好みの肉を探すことは気の長い話なのです。
サルティンボッカの木村シェフとは18年くらいの付き合いになるのですが、ここ数年は木下牧場さんの近江牛を使っていただいています。主にランプ(ランイチ)を使っていただいていたのですが、どうも木村シェフの焼き方と相性がよくないような気がしていたのです。赤身が強いランプは問題ないのですが、サシが入ったイチボが私的にはちょっと違うかなと。
あくまでも私の好みで、もしかすればお客様は気にいっておられたかも知れません。それでも木村シェフと意見交換するなかで、思い切ってウチヒラに変えてみようということになり現在に至るわけです。私の住まいと近いということもあり定期的に伺って食べた感想などをお話しするのですが、こういったやりとりってすごく大事だと思うのです。
私は自分でも肉を焼きますし外食も多い方です。かなりの大食漢でその大半が肉食ですから引き出しは多いほうだと思うのです。肉の火入れは少しでもポイントがずれるとおいしくなくなります。ピークをいかに見極めるかだと思うのです。先月から木村シェフにはフレッシュではなく30日程度乾かしたウチヒラを使ってもらっているのですが、昨夜お邪魔すると焼き方が変わっていました。いつも同じ焼き方ではなく、肉の個体に合わせた焼き方ができることが場数でありセンスだと思うのです。
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