様似は気温15度、ジビーフ眺めながらゆっくり時間が過ぎて行く
公開日:
:
2018/08/14
コラム

今に始まったことじゃないんですけど「新保さんは牛も飼ってるんですか?」ってよく聞かれます。「牧場はやらないんですか?」これもよく聞かれます。僕の仕事は牛を飼うことではなく肉屋(精肉店/ butcher)です。その肉屋も僕が修業していた昭和の時代から比べると随分変わってしまいました。枝肉を仕入れて骨を外し精肉にするまでのことを一気通貫でやっている肉屋はほんの一握り。ここに魅力を感じてくれる若者もほんの一握り。裏方の見えないところだししんどい仕事だしね。できればやりたくない。業者から運ばれてきた真空パックの塊を使うほうが楽だし効率的。
僕もほんの数ミリ妥協すればもっと楽できるんだろうけど、一番しんどい部分をやらないのは、なんか違うような気がするんです。ヨーロッパでは職業資格が存在します。それだけ肉屋の社会的地位が日本よりは高いんでしょうね。知識と技術はもちろんのこと料理も含めた実践。さらに栄養学もこれからの肉屋は必須なんだろうなぁー、、、だってね「〇〇作りたいんですがどんな肉がいいですか?」って店頭での質問に対して、しっかり対応できる人ってあまりいない気がするんです。一昔と違って料理名も複雑ですしね。
サカエヤが移転して来月で1年になります。果たして滋賀の田舎まで都会の方が来てくれるだけの価値を見出せているのか?スーパーやショッピングモールのテナントなら集客も望めますが路面店はすべて自力ですからね。ちなみに1周年はなにもやりません。ぶつけたわけではないのですが、その日はサルメリア69の新町さんとイベントです。
しかし、外食で肉を食べることはあまりないのですが、和食もお寿司も高くなりましたね。予約もなかなかとれないし、1年後の予約を一生懸命とる人もいますが疲れないんでしょうか。なんかね、僕はそこに喜びや楽しさを見いだせないんです。先日も有名店ではないのですが僕が行くからと張りきっちゃって高級食材ばかりでかなり疲れました。普通の食材でいいのに・・・
肉食べてワイン飲んで今夜も楽しけりゃいいや。
僕が思う食事ってこんな感じです。
様似へ行くと時間がゆっくり流れているのでついそんなことを考えます。
関連記事
-
-
目黒ラッセにてフレッシュなウチヒラを堪能する
◯◯(店名)と同じ肉を仕入れたいのですが、、という問い合わせが結構な頻度でありますが、会話を
-
-
プロの仕事ぶりに大いに刺激されながら超繁忙期を迎える年の瀬
今年も残すところあと少し、肉屋はこれからが忙しくなります。年末年始のサービス業は稼ぎ時でもあ
-
-
生鮮3品の存続は若者が憧れるような職業にならないと
僕が修行していた頃は、店内で枝肉を捌いている光景が普通だった。お客さんと会話しながらリズミカ
-
-
枝肉から捌く醍醐味こそ肉屋のおもしろさ
我々の業界で言うところの「捌き」とは、枝肉から大分割して、さらに中分割したロースやウデ、バラ


















