*

熟成肉ブームも落ち着いたかと思いきや地方が熱い

公開日: : 2016/10/07 コラム

img_2277

和牛経産のサーロインにビーツとサツマイモ、グロゼイユを合わせたものですが、これが本当に経産牛なのかとしばらく呆然としたのでした。肉は熟成させずにフレッシュのままですが、だいたい肉質を見て触れば味の想像はつきます。それらを遥かに上回ったとき唖然としてしまうのですね。再肥育しているので柔らかさは予想通りでしたが「香り」が秀逸でした。

肉のおいしさは「柔らかさ」だと勘違いしている人がいますがじつは「香り」なんですね。柔らかさは記憶から消えていきますが、香りは余韻となって残ります。赤身が詰まった経産牛ですが、シェフの引き出し方がお見事すぎて唸るしかありませんでした。そしてやっぱり和牛ですね。本当においしくて参りました。

さてさて、先日、ある方から「熟成肉もようやく落ち着きましたね」と言われたのですが、ほんと落ち着きました。あれほどあった問い合わせもかなり少なくなり、残るべきところが残って、ブームに乗っかったところは消えていった感じでしょうか。なんか数十年前のもつ鍋ブームを思い出します。

ところがです。落ち着いたのは東京や大阪など都会の話しで、地方に行けば熟成肉がプチブレイク中なのです。ただ、内容がお粗末すぎてショッピングモールで見かける「熟成アメリカンステーキ」レベルのものが多いのが実情です。こうなれば熟成も「特選」とか「極上」とかと同じ類ですね。

もちろん地方だからといっても例外もあります。ただ、ブームの総括として私が思うにはドライエイジングにしろ吊るしにしろ、熟成をしっかりやるには技術や知識も大事ですが、設備がもっとも重要だという結論に達しました。

しっかりした設備を整えるには資金が必要ですし、なによりも場所が必要です。そう考えると小さな厨房で無理をするより設備が整ったところに任せる方が得策だと思うのです。

 

記事が気に入ったらシェアをしてね

  • twitter
  • facebook
  • google+
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

健康な育て方=おいしい牛肉だとは限らない

精肉の仕事をしてもうすぐ40年になります。不器用ながらも一つのことをやり続ければなんとかなる

記事を読む

肉仕事について思うこと、私なりのメッセージ

ギューテロワール ミートカレッジ Leica M monochrom apo-summic

記事を読む

生食の提供について

タルタル、ユッケを提供している飲食店を多くみかけます。雑誌で見ることもありますがどうみてもアウト

記事を読む

BSEの教訓を活かして

久しぶりにAmazon prime videoで震える牛を観た。BSE、食品偽装、当時の記憶が鮮明に

記事を読む

生涯現役、肉屋しか知らない父親の勇断

うちの父は80歳だが先月まで母と2人で駅前商店街の一角で肉屋をやっていた。数年前からマンショ

記事を読む

和牛・牛肉通販 近江牛.com

https://www.omi-gyu.com
取引について僕の考え方

僕は「業者」という言葉が好きではありません。飲食店に牛肉を

精肉店としての歩み

滋賀県で精肉店をやっているなら「近江牛」の看板で商売したい。三重県なら

ジビーフ舞ちゃん親子で出荷

先日、ジビーフのお母さん牛『舞ちゃん』が屠畜され、さきほど内臓

→もっと見る

  • 2021年10月
     12
    3456789
    10111213141516
    17181920212223
    24252627282930
    31