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サシだ赤身だと言ってもなかなか奥が深いものなのです

公開日: : 2017/08/07 格付け, コラム

長浜農業高校が出荷した近江牛(A4)ですが、最近は繁殖もしているようで凄いですね。そのまま畜産の仕事についてくれると将来も明るいのですが、現実はなかなか難しいでしょうね。

セリで枝肉を購入する時、問屋と肉屋が見る枝肉のポイントは違います。そこから先、たとえば料理人が見るポイントも違うように感じています。ここ数年は赤身が良いという風潮ですが、実際はサシを求める方もたくさんいます。

生産者はA5で霜降り度合の最高ランクBMS12を目指して肥育をします。サシ肉は他国の牛肉との差別化であり、1円でも高く売ることが牛のため生産者の生活のためでもあります。私たちが食べている牛が経済動物である以上、こういう考えは当然ですし、先人たちが築いてきた和牛文化を守るためにも必要なことです。

ただ、これは生産者側に寄った考え方です。販売側から見るとまた違った考え方になりますし、料理人の立場から見るとさらに違ってきます。正解も不正解もないのですが、ひとつだけ言えることは、売るための肉と食べるための肉とではその中身も意味合いも大きく違うということです。

写真のロース肉は格付けこそA4ですが、私の見立てではA3かなというレベルです。もちろんそれを承知で購入しているのですが、私は問屋ではないので、枝肉の状態での日々の変化を予測しながらうちの冷蔵庫に合ったものを選んでいます。フレッシュの状態で7日程度で売ってしまうのならA4かA5でもっとサシのある肉を選びますが、僕は冷蔵庫を使い分けて移動させながら肉を育てるやり方をしているので、あまりサシは必要ないのです。

このあたりは、肉に対する考え方というか持論めいたものもあり、人それぞれの考え方があって良いと思います。ただ、他人の意見や情報に操作されないことが大事だと思います。僕が手当てした肉を好んでくださる方がその肉に価値を見出してくだされば自分の中での納得であり、評価されなかったらまた違うやり方を考えながら試行錯誤していくことになります。

サシだ赤身だと言っても、それを生業にしているとなかなか奥が深いのです。だからおもしろい。

 

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