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肉を知るには肉屋へ通い肉屋で学ぶ

公開日: : 2017/04/24 コラム

あちこちから肉の勉強会のお誘いがある。先日なんか交流の薄い知人の知人からお誘いがあって、それって全員他人じゃないのかと思わず突っ込みそうになったが、少し前のことだが料理人が主催した肉の勉強会があった。生産者も参加していたのだが、私としてはものすごく違和感があったのでした。料理人から見た肉、生産者から見た肉、いろんな見方があっていいと思うのだが、毎日肉を捌いている肉屋が一人もいなかった。違和感の原因はこのあたりなのだが、牛の勉強会なら生産者に話を聞くべきだし、肉料理の勉強会なら料理人に話を聞くべきは当然だと思う。ただ、肉の勉強会と称するならば、肉屋から学んだほうがいいと思う。ここで言う肉屋は私のことではなく、もっと理論づけて話せる肉屋がたくさんいます。人前で話す限りは、サラダ油適当、醤油適当、砂糖適当で、こんなにおいしくなりましたではなく、サラダ油小さじ2、醤油大さじ2、砂糖大さじ1/2という具合に、明確なことを伝えられなければいけないと思うのです。

産地に牛を見に行く料理人や肉屋がいますが、それすら目的なく行くと漠然としたものしか感じられず時間の無駄だと思うのです。生産者と話しがしたいのか、生きた牛を見てなにかを感じたいのか、はたまた牛が飼われている環境を見たいのか、問屋さんや流通業者が牛を見に行くのとは理由が明確に違うと思うのです。だから目的が必要であり、現地ではすべてを鵜呑みにせず、疑ってかかるべきだなんです。そのためには牛に関する最低限の知識は知っているほうがよいでしょうし、せっかく行くのだから予習していくべきだと思うのです。

でも、私はいままでたくさんの料理人を牧場へ案内してきましたが、そこへ行って納得してしまっている方が非常に多いと感じました。もちろん、そうじゃない方もたくさんいました。それよりも、生きた牛ではなく、目の前の肉について多くを学ぶべきであり、その延長線上で牛を知ればなお幅が広がると思うのです。

写真は近江牛のウチヒラです。仲良くしている牧場のものですが、その生産者が作る近江牛はA5の発生率が高く、枝肉重量も550kg以上ばかりで600kg超えも珍しくありません。私は大きな枝肉は好みではないので、いつも300~400kg台ばかり。だから仲良くはしていますがこの生産者の枝肉はあまり買うことがありません。ところが先日のセリで400kgとこの生産者にしてはかなり小さな枝肉がでてていたので思わず買ってしまったのです。格付けもA3でした。めちゃくちゃタイプです。

ただ、察するに他の牛に食い負けして大きくなれなかったか、調整が失敗したか、大きくならない血統だったのか、私なりにいろいろ考えながらいざ肉を捌くと、いろんなことが見えてくるのです。肉が答えを教えてくれるみたいなところがあって、疑問点をまとめて生産者に電話するのです。もちろん嫌がりますよ(笑)

こういうことを知ったうえで肉を触っていくと、どうすればおいしくなってくれるのかが分かるようになるのです。私は枝肉しか触りませんから、骨から外すタイミングを重要視しますが、骨から外した後の管理も大切です。骨を外せば肉は酸化するので、どうすれば最小限の酸化で留められるのか、そのために必要なものはなにか・・・そんなことばかり考え実行していれば、なんとなくではなく説明できる言葉が見つかるのです。

ビストロや肉バルが大流行ですが、機会があれば問屋ではなく、街の肉屋で学ぶことをオススメします。

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