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渡邊シェフの薪焼きに酔いしれた肉Meets in Vaccarossa

公開日: : 2017/04/30 イベント

いつだったか赤坂のバッカロッサを訪ねたときのこと。渡邊シェフと15時に約束をしていたので30分程度お話しして次の打ち合わせ場所に移動するはずだった。あまりにも話が弾んでふと時計を見たら17時を回っていた。肉に対する考え方に根拠があって理論的に語れて芯がブレない経験値は圧倒的な魅力である。もちろん僕とは考え方も肉の見方も異なる部分もあれば同意するところもある。そこがおもしろいのだ。共通しているのは、牛や生産者に対するオマージュであり、オタクな探究心かも知れない。

意外だったのが、バッカロッサではイベントをやったことがないらしく、一度やってみたいとのことで、じゃーいつがいいですか?4月29日あたりでどうですか・・てな感じでパパッと決まったのでした。イベントは決まってからが大変。何回も打ち合わせして、メニューを考え、それに伴う食材を手配して、参加者を集めて、何度も何度もシュミレーションをしながら当日を迎えるわけです。当然、参加者の期待値も高く、そのなかで僕やシェフがどれだけ楽しめるかというのもイベントの醍醐味です。そして当日・・・

ヴァッカロッサ渡邊雅之シェフの思考は「活力」のでる食事であり「噛む」喜び、「食べ心地」を求め口に入れた瞬間、喜びに湧き、噛み続けたくなる味の追求です。そして行き着いたのが「薪焼き」だったとのこと。

今回のイベントでは、イタリア語で噛むという語源の「Mangiare」マンジャーレに拘り、ジビーフや愛農ナチュラルポーク、近江牛経産、十勝若牛をトスカーナ暖炉で焼き上げます

- 薪の種類 -
石川県の山林で、豊かな森を育てるべく伐採された木を使用しています。肉の種類や肉の状態、肉の厚さ、熟成具合を見極め、3種の薪(ナラ・カシ・クヌギ)使用比率を変え、約1時間30分かけベストな状態の熾を炊き上げます

まず最初にでてきたのは、ジビーフの端材で取ったコンソメスープ、レオナルドダヴィンチ風です。柑橘の香りがするコンソメスープは初めてでしたが、いきなり強烈なパンチをくらった感じでした。

この皿にも驚かされました。愛農ナチュラルポークのヒレを使った生ハム、3種類の愛農ナチュラルポークの生サルシッチャ(ピッカンテ、ハーブ、フィノッキオーナ)、愛農ナチュラルポークのラルド、豚レバーのフェガテッリ、豚血のテリーナ、土佐文旦と十勝清水産黒ニンニクの自家製モスタルダ、イチゴのガルム和え

熟成時にどうしても表面が乾燥して普通は捨ててしまうのですが、なんとラグーで登場。ジビーフも十勝若牛も近江牛経産もすべて入ったスペシャルバージョンです。食感の良さに驚きました。

この日のために、様似から飛んできた西川奈緒子さん。人口2人の生活ではしゃべる相手も限られているので、ここぞとばかりに、しゃべるしゃべる・・・延々としゃべり続けたのでした。

当初は、ジビーフのリブロースをビステッカにする予定だったのですが、水分が抜けきっていないのと味が淡白すぎるので急遽メニューを変更して、ジビーフの焼ききったストゥファート、血のソースという聞いたこともないメニューに。ストゥファートは煮込み料理という意味だそうです。

チョコレートも入っているので、口に入れるまで想像もできない味だったのですが、驚かされてばかりです。

愛農ナチュラルポークはアリスタで登場。渡邊シェフの薪焼きの特徴は肉汁をださないこと。終始強火で表面が乾かないように何度も返しながら薄い焼き色を重ねていくので、肉に圧力がかからず、焼き立てをカットしても肉汁は外にでないのです。

骨付き十勝若牛ロースのビステッカ。

薪を使う意味を渡邉シェフはこう言います。強い火力でありながらも、熱はやわらかく広がります。肉の表面は固まらず、乾かずに理想的な焼き色を重ねることが出来ます。常に表面は固まっていないため、肉の繊維一本一本に肉汁が動いている状態が可能になります。焼いた直後に肉をカットしても肉汁が外に出ることはなく、噛みしめた時に始めて溢れる肉汁が可能になりました。と・・・
いままで食べた十勝若牛のなかでも断トツにおいしかったです。味の薄い十勝若牛の印象が変わりました。生産者の努力で肉も良くなっているんでしょうね、味に深みがありました。

骨付き近江牛経産のビステッカ。十勝若牛に少し味を乗せたような感じでした。こういう肉を食べ慣れるとサシがたくさん入った肉はいくら融点が低くても体が拒否しそうです。それにしても最初から最後まで気が抜けないメニューで僕の想像を遥かに超えた肉料理に大満足でした。

デザートは、高知夜洲産エメラルドメロンのズッパイングレーゼと土佐牛乳のジェラート、山いちごのソースで最後の最後までおいしい肉Meetsでした。

 

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