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愛農高校生からおいしさを学ぶ

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昨日は、農林水産省 平成26年度フードチェーン食育活動推進事業(畜産と農業を支え、人と地域の自給力を育む食育活動推進事業)でもある「いただきます・ありがとう協働隊」という食育プロジェクトの一環で事業主体のきたやま南山さんにて、牛を育てる生産者の講演会が開催されました。講演会というよりも日頃取り組んでいることの発表会のような形で和やかな雰囲気の中、私の中ではトップバッターの愛農高校生の話が心に沁みました。

愛農高校は全国で唯一の有機農業を推進する私立の農業高校です。全寮制で校内自給率は70%以上、豚や鶏、牛に野菜、果物などを作っています。畜産部で育てていたアッスーという名の乳牛がいまして、1回だけお産をして、搾乳をしたのですがその後は種がつかず(妊娠できず)、引退が決まった牛です。引退といえば聞こえがいいのですが廃牛です。言葉1つで捉え方がまったく違ってきます。

牛はお産しなければ乳がでません。残念ながら牛は種がつかなければいつまでも飼うわけにはいきません。牛舎が牛だらけになりエサ代だけでパンクしてしまいます。生徒たちは、屠畜場で枝肉にしてもらったアッスーを持ち帰り、自分たちで捌き、料理して食べようと企画したのです。私も少しだけ協力させてもらい感謝状をいただきました。

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その報告会を生徒たちが大人の前でするわけですが、これが堂々としたりっぱなものでした。自分たちの言葉で飾ることもなく想いを伝えるということがこれほど素晴らしいものかと感動したのです。

6名の生徒が各々アッスーに関わり体験したことを話したのですが、1人の生徒の発表が心に残りました。アッスーが肉になって目の前に置かれたとき、自然と涙が流れたと言うのです。でも、悲しいから泣けてくるのではなくいままで感じたことのない不思議な感覚でありいったいこれはなんなのかと… 生徒は話を続けます。

そうか、これが「感謝」というものなのか。食べものって、命のかけら。たくさんの微生物もそこにいて、命ある食べ物が、みんなのカラダと心にエネルギーをくれているということをアッスーが教えてくれたのだといまにも泣きそうな顔で発表している姿に、大人たちは何を感じ、何を思ったのでしょうか。(

愛農高校生が育てている豚に「愛農ナチュラルポーク」とネーミングして販売していますが、私は世界一おいしい豚肉だと思っています。世界中の豚肉を食べたわけではありませんが、それでも名だたるブランド豚から名もない豚肉まで、普通の人の数十倍、いや、もっとかも知れませんが食べてきていると思うのです。でも、愛農ナチュラルポークを超える豚肉にいまだ出会ったことがありません。

畜産関係者から研究者に至るまで、さまざまな方々に食べてもらいましたが、みなさんの感想は驚きのうまさであり、しかしながらなぜ愛農ナチュラルポークがこれほどうまいのかが解明できない疑問もあります。

なぜおいしいのか?… これといった変わったことをしているわけではなく、特別なエサを与えているわけでもありません。愛情たっぷり育てているからうまいのかと言えば、う~ん、もちろんそれもあるでしょうが、他の養豚農家さんも愛情たっぷりで育てているでしょうし、エサなんてもっといいものを食べさせている農家さんもいるでしょう。

ほんとうに不思議でたまらなかったのですが、昨日の愛農高校生の発表を聞いて、なんとなくですが、愛農ナチュラルポークがおいしくなる理由がわかったような気がしました。理屈じゃないんですよね。

帰り際に、養豚部の生徒(二年生)が私に挨拶にきましたが、いい顔していました。学校で学ぶことも大事ですが、大人に交じって、育てる人、運ぶ人、料理する人、食べる人、どんな人とどんなふうにつながるか、そして自分たちが育てた豚がどのように食べられているのかをちゃんと見て、そして学んで、それをいかすためにまた学校で学び、愛農ナチュラルポークはもっともっとおいしくなると確信したのでした。

 

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