鹿児島県産「経産牛」40日熟成のソトモモ3kg追加販売
部位名は関西と関東では呼び方が違ったりする。たとえば、モモ肉の一部「マル」は関東では「シンタマ」と呼び、「ランプ」は「ランイチ」と呼ばれる。
最初は慣れなかった私も関東方面の取引先が増えるにつれ、最近では関東風の呼び方が板についてきた。けっしていイチビってるわけではないのだが、東京在住の関西人が標準語に変わっていくのが少し分かるような気がする。
さて、ここ最近、当店の取引先が大きく変わりはじめてきている。10年前までは焼肉店が8割程度占めていたのだが、いまではイタリアンやフレンチ、ダイニングバーが大半を占めるようになってきた。
焼肉店からの問い合わせ内容は、相変わらずサシ優先で格付け絶対主義なのだ。それでいて値段はシビア。10年前からなにも変化がない。もちろん、きたやま南山さんをはじめ、そうじゃない焼肉店もたくさんある。
どちらがいいとか悪いとかではないのだが、安くて良いものなんて安定して供給できないし、品質に見合った価値を見出さなければ満足のいく商品は仕入れられない。これはどの業界でも同じではないだろうか。
例えば、私が手掛ける熟成肉の主な取引先は、ステーキハウスでも焼肉店でもなく、イタリアンバルが多い。「バル」とは、「バー(Bar)」のスペイン語読みで、街角にある気軽な立ち飲み酒場のような店のことだ。
当然、提供している価格がリーズナブルなことから近江牛は使えない。海外経験のある若いシェフたちは「熟成肉」を扱いなれていることもあり、できれば使いたい。じっくりドライエージングした赤身のモモ肉あたりが理想だろう。
ということもあって、昨年からステッキ(モモ1本)をドライエージングさせている。近江牛はもちろん、通常の和牛でもコスト高になるので、経産牛のモモ肉をチョイス。もちろん、経産牛ならなんでもいいというわけではない。当店の熟成庫に棲んでいる菌とのマッチングもあり、あれやこれやと試した結果、鹿児島県産の経産牛が相性良く、おかげさまでかなり完成度の高い熟成肉を提供し続けている。
ただ1つだけ問題があり、取引先のほとんどがビステッカとして使うため、肉質が硬い「ソトモモ」だけが余ってしまうのだ。熟成させているので多少は柔らかくなっているとはいえ厚みをもたせてカットすると歯が疲れるほど硬い。
私は歯が丈夫なので、これぐらいの歯ごたえがちょうど良いのだ、うちのスタッフには不評だった。しかし、焼肉用にカットすると味が濃厚なこともあり、これがかなりうまいのだ。たれではなく塩で食べるとなおさらおいしさが際立つ。
先日Facebookで3kg案内したところ即完売してしまった。歩留りの関係上、少な目に案内したのだが、今日カットした段階では意外と歩留りが良いことがわかった。
ということで、新たに3kg追加販売させていただくことになりました。今後もソトモモはこのような形で販売していくことになりそうですが、よろしければぜひとも一度お試しください。歯が丈夫な方はブロックで購入していただきステーキで楽しんでいただくのもOKかと。(鹿児島県産「経産牛」40日熟成のソトモモ→クリック)
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