プロが言う「ふつう」は「ふつう」じゃない
ステーキ買いたいんだけどうまく焼けなくって・・・
ホントによく言われるんです。問い合わせも多くて私の返答は決まって「ふつうに焼いたらええやん」なんですが、先日こんなことがありました。
セミナー後の懇親会の席でのこと、ステーキって焼き方が分からないよね。という話から、私が「ふつう」に焼いたら何も難しいことないですよ。と返答したのを皮切りに、あちこちの席から、その「ふつう」が分からないと言うのです。
よくよく考えると、プロが使う「ふつう」って一般の人から見ればふつうじゃないんですよね。パソコンに詳しい人が初心者相手に専門用語使って教えてるのと同じようなものです。
ということで、フライパン、オーブン、スキレットの3パターンでの焼き方を動画作成してみたのですが、まずはiphoneでチャレンジするもイマイチ。結局、1日かけてじっくり撮影することに。
スキレットはさすがに肉焼きの経験を積めば積むほどスキレットに脂が染みこみ、うまく焼けるようになるのだが、私は肉だけではなくシチューやカレーもスキレットで作ります。
ちなみに私が使っているのは、ダッチオーブンでおなじみのLODGE社のスキレットです。スキレットは簡単に言ってしまうとダッチオーブンと同様の製法による鋳鉄製のフライパンです。
その厚さと高い蓄熱性のおかげで、ステーキが簡単に焼けてしまうのです。秀逸なのは、素材への火のあたりが柔らかいため、ムラなく火を通すことができるのです。
ただ、お手入れが少々面倒で、鋳鉄なので使ったあと水でジャブジャブ洗って放置しておくとすぐに錆びてしまいます。使用後は軽く洗った後、熱してオリーブオイルを塗るようにしています。
洗うのもタワシでゴシゴシやらずに、私はササラを使っています。
スキレットは、なんといっても肉の周りをカリカリに、中をレアに仕上げるには最適で、霜降り肉より赤身肉がおすすめです。
焼き方ですが、スキレットにひまわり油をたっぷりと注ぎます。量はスキレットを傾けた時にこぼれるくらいが良いです。
スキレットに肉を入れてから火をつけて、しばらくはそのままで。火力はマックスの強火でパチパチと激しく音がし出したら、ひっくり返して裏面を焼きます。このとき手を保護しないと油の跳ね返りがあります。コツは傾けて油を片側に寄せ、たっぷりの油の中で揚げるように焼いていきます。肉は何度もひっくり返します。
肉が膨らみ、指で触って跳ね返るような感じになったら火を止め、2~3分休ませて、肉の中心部が温まるようにします。
スキレットから肉を上げ、好みの塩を軽く投げつけるようにふり、好みで黒胡椒をかけます。
私は、時間があるときに、ステークフリット(ポテトフライ付きステーキ)で楽しむのですが、プロが焼いたステークフリットを味わいたい方は、おそらく明日より1週間前後なら(お店に確認してください)、最高のドライエージングビーフが六本木の祥瑞(SHONZUI)と京都のLe14e(ル・キャトーズィエム)で味わうことができます。
本日、熟成期間40日を迎えたドライエージングビーフ(近江牛81ヶ月齢)を、祥瑞とLe14eに発送しましたので、おそらく明日以降ならご指名できるかと思います。
自画自賛ですが、熟成香を嗅ぎながらワインを2~3杯いけそうなくらい、すばらしい仕上がり具合なので、あとはシゲさん、ノブさんの技術で最高の肉と至福の時間が味わえるはずです。
おまけ
京都のLINDENBAUM(リンデンバーム)で買ったブーダンノワールをスキレットで焼いてみた。
ブーダンというのは、豚の血と脂でつくったソーセージのことだが、意外と血の臭みがなくておいしい。LINDENBAUMのオーナーは元々レストランのコックだったそうで、ちょっとおもしろい店なので、何かの機会に書いてみたい。
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