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イタリアを旅しているようなイタリアの郷土料理

公開日: : 2020/06/07 SAISIR

サカエヤに隣接するレストラン『セジール』もコロナの影響でキャンセルが相次いだ。それでも営業し続けた。もちろん3密とソーシャルディスタンスを保ちつつの時短営業だ。3月~5月の3か月間でランチゼロ、ディナー2組とか、ランチ1組、ディナーゼロという日は3日ほどあったものの、1日通してゼロという日はなかった。空いた時間は掃除と通販用の仕込みに費やした。テイクアウトに関してはセジールとしてやる意味が見いだせなかった。

売り上げは下がったがシェフやスタッフはいつも以上に気合が入った仕事をしてくれていた。それには理由がある。僕の予定がすべてなくなったので、賄を一緒に食べながら、今後の展開を話し続けた。そのなかには、7月に某所で行うポップアップストアの話や、新店の話、僕と交流がある料理人の話など、「それをするために今何をすべきか」というような内容だ。

一方、サカエヤは店頭販売と通販が忙しく、セジールのスタッフも駆り出されて、コロナ前より忙しいじゃないか、という状況が何日も続いた。おかげで5月に臨時ボーナスを支給することができた。普段、社長らしいことは何もしていないので面目躍如といったところだ。

6月に入ると、3月4月にキャンセルされた大半のお客様が再予約してくださった。なんともありがたいことだ。

2日前のこと。コロナ前にマッキー牧元さんが予約をくださっていたので、久しぶりに一緒に食しましょうかということで、この日は僕も客として席に着いた。溝口シェフにはメニューにないものでイタリアで修行していた時に習ったものや旅の途中で出会った料理を作ってほしいとリクエストしておいた。まず一品目から・・・

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ズッパ ディ ビーノ
白ワインと卵黄、ナツメグとシナモンのスープ

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タルタルは溝口シェフではなく、スーシェフの石井くんが作っているので、この日のメニューには入っていなかったのだが、味見を兼ねて急遽作ってもらった。というのも、石井くんにタルタルを任せるまで、それはひどいものだった。毎日毎日、2回も3回も作らせるのだが、100点満点で10点の日もあれば60点の日もあったりで、結局、味が安定するまで3か月かかったのだ。肉の切り方、混ぜ方、手の温度、レシピ通り同じようにやっていても別物になってしまうのが料理でありレベルだと思う。センスや感性を言い出すとキリがないのだが、例えば、僕とうちの若い子が同じ条件で同じ肉を切っても味が違う。料理人のレシピ本を見ながら作っても同じように作れないのと同じだ。似た料理は作れるけどね。

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ガルムージャ
ルッカの春の郷土料理
パンチェッタとカルチョフィ、アスパラ、空豆やウスイエンドウ豆などなどの春野菜のスープ

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パンコット
パン、水、塩、オイルだけのズッパ。
風邪をひいた時などに作ってくれるお粥ポジション。野菜やチーズを入れるバリエーションもあります。おそらく南イタリアの料理とのこと。シェフ、覚えてないんか(笑)

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アクアサーレ
南イタリア料理 (トスカーナ州よりも南側,カンパーニャ州やバジリカータ州など貧しい、貧しかった地域)、基本は水、きゅうり、トマト、赤玉葱が材料になります。水を完全パンに吸わせ液体がない物も多い。水ときゅうりとパンだけの物もある(が、シェフ曰く不味いらしい)

今回は赤玉葱は使わずにトマト、きゅうり、水、塩、オイル、バジル、グリルしたパン使用。

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カーネデルリ イン ブロード
アルトアディジェ 州の郷土料理
カーネデルリ(パン、スペック、牛乳、玉ねぎ、卵黄で作ったパン団子)をスープに浮かべた物。パン団子は前菜や煮込み料理の付け合わせに使う事もあります。

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ソパコアダ
問題の脾臓(チレ)だ。近江牛の内臓のなかには使えないものがある。そのひとつが脾臓です。好きな人もいるみたいですが僕は臭いがダメなんです。レバーの臭いは大丈夫なのですが脾臓はダメ。溝口シェフにペーストにしてもらったり、いろいろ試しはしたのですが、ようやく納得できる料理が完成しました。

ヴェネト州の山側の郷土料理で、本来は鳩の肉、内臓、スープを使いますが、今回はコンソメ、脾臓、牛ラグーを使用した近江牛バージョン。

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スッパヴァルヴッタ
キリスト教、ヴァルド派を代表する料理(ピエモンテ)
グリッシーニ、しなびたキャベツ香辛料、チーズ、豚のスープを器に流し込み、オーブンに出し入れして液体をグリッシーニに吸わせる様に焼き上げる。ズッパではなく、スッパなのは方言、なまり。

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ズッパディノンナ
ピエモンテに住んでいた時におばあちゃんが作ってくれていたスープ。
材料に決まりは無くて、ザク切りにしたものを2、3時間にてドロドロのスープ。今回の材料は牛千本、ジャガイモ、パン、ズッキーニ、玉ねぎ、ニンジン、セロリ、トマトピューレ

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レンズ豆と豚のスープ
サルデーニャで働いていた時にシェフが市場に行った時に豚の皮の良い物があったら作っていた賄い料理。レンズ豆、サルシッチャー、パンチェッタ、豚肉、豚皮、にんじん玉ねぎセロリ、トマトピューレを使っています。

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近江牛ランプ
2週間程度、水分調整をしながら枯らしたもの。文句なしのうまさ。

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イチゴのリゾット
50年ほど前にイタリアのレストランで流行った、イチゴとパンチェッタのリゾット。日本のイチゴは甘過ぎるのでスプマンテのリゾット(酸っぱい)にイチゴを入れました。

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トルタディタリオリーニ
エミリアロマーニャ州ボローニャ近辺の郷土料理。タリオリーニ、リコッタ、アーモンド、レモン、アマレット(お酒)を使ったタルト

僕はリゾットまでたどり着けませんでした。自粛中に胃袋が小さくなってしまって、たくさん食べれなくなってしまったのです。少しづつ元に戻るとは思いますが・・・

今回のメニュー構成は、まるでイタリアを旅しているようでした。かなりマニアックな料理ばかりなので、どれだけの人に受け入れてもらえるのか。本当はこういうメニューをやりたいのですが、一般的ではないのでもう少し先ですね。

 

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