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経産牛を再肥育して価値ある肉へ

公開日: : 2019/12/04 肉牛の品種, 牧場・生産者, コラム

牛肉として価値がない
とか、
市場で買い叩かれる
とか、

たくさん子供を産んだお母さん牛は、やせ細って肉量がとれません。なので商品化しにくい。いま世の中に出回っているお母さん牛、いわゆる経産牛のほとんどが6ヶ月程度再肥育して価値をつけています。価値というとたいそですが早い話が売れるようにするための手段です。再肥育しないと、あまりにも痩せた牛は高値で売れるロースでさえミンチや加工品にするしか使いみちがないのです。

だから、最近一部の方が言ってるような、再肥育した経産牛は、牛肉として価値がないとか、市場で買い叩かれるとか、そんなことはないのです。もちろん未経産の牛に比べれば安価で取り引きされますが、そもそも比べるものでもないし、まったく違うカテゴリーです。買い叩かれたり、廃棄されたりとか、、そんなのは昔の話。しっかり再肥育された経産牛はそれなりの価格で取引されているのです。

本当に買い叩かれるのは、子供を8産とか9産し、なおかつ再肥育していない牛です。これさえも僕から言わせれば、買い叩かれるという表現はちょっと違うと思います。たしかに値段がつきにくいですが、僕がいつも言うように『手当て』してやればおいしくなってくれますし、ストライクゾーンは狭いですが、需要はあるのです。

再肥育しても、しっかり手当てされていない肉は硬くて味が抜けていることがほとんどです。そういう経産牛を一度でも食べた方にとっては、イメージはよくないでしょうね。また、そういう方が発信する言葉が一次情報となり、さらに加工され二次情報となり、牛肉として価値がないとか、市場で買い叩かれるとか、あるいはサステナブルがどうとか、そんな薄っぺらいものではないんですけどね。どんな仕事でも奥の奥、裏の裏がありますから。

 

 

 

 

 

左から再肥育した黒毛経産和牛のイチボ、再肥育なしのブラウンスイス牛のイチボ、同じくカイノミ。柔らかい→硬い→めっちゃ硬いの順番。街のビストロはこういうのがおもしろい。

 

@メッシタ パーネ エ ヴィーノ

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