おいしい牛肉を手に入れるには情報と人脈
過日、草原あか牛『eco beef』セミナーが開催された。前後のスケジュールを詰め込みすぎたため体が悲鳴をあげていたが、参加者のみなさま、特に生産農家の方々の熱心さに大いに刺激を受けたのでした。
数ヶ月前、熊本のあるレストランで食事をしたのですが、メインは鴨だった。シェフに聞くと牛肉もやるがあか牛はやらないとのこと。理由はおいしいあか牛がないから。じつは僕も同じことを思っている。
すべては人間がすること。牛にはなんの罪もない。育て方も正直見えない部分なのでよくわからない。愛情だ、エサだ、なんとかだと言ったところで毎日見ているわけじゃないのでわからない。数年前、ある生産者が牛を虐待しているところを見てしまった。ショックだった。それ以来、生産者の言葉に構えてしまうようになってしまった。
僕の仕事は、生き物から食べ物になった「その後」をしっかり手当てすること。肉の能力(おいしさ)を発揮させるのは間違いなく手当て(保存)です。
肉は、品種、血統、エサ、育て方である程度の良し悪しが決まりますが、味を左右するのは手当てです。僕が言う手当てとは、熟成、真空パック、ミートペーパー、ミートラッパー、冷蔵庫の種類、温度管理、等々、、まだまだありますが、肉に適した「保存」のことです。
あか牛の話に戻りますが、しっかり手当てされたあか牛はおいしいと思うのです。しかし、流通されているあか牛は屠畜から真空パック処理まで10日以内、つまり変色しない期間にやってしまいます。あか牛に限らずですが、これでは肉が持つ能力が発揮されないまま味の賛否となってしまいます。
話が飛びますが、スーパーの肉がおいしくないのは見た目重視だからです。繊維が開くと(わかりづらい表現ですが)どうしても変色してしまいます。熟成も同じですが、スーパーで変色した肉を買う人はまずいないでしょう。たまに腐った肉に割引シールを貼ったパック肉を見かけますが、これは買う買わない以前の問題です。
では、おいしい肉はどこで買えるのか。情報を追いかけ自分で探す、または信頼できる方から聞く、それが確実だと思います。
やまけん(山本謙治)さんの著書、炎の牛肉教室をぜひおススメします。特に料理人、料理家の先生に手にとっていただきたいです。
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