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真夏でも真冬でも完全放牧ジビーフ

公開日: : 2018/09/02 ジビーフ(完全放牧野生牛)

「放牧系の牛を分けて欲しいのですが」という問い合わせが多い。メールもやらないし電話もでないので、うちのスタッフが対応しているのを聞いてて、まともな感じだったら変わってもらって少し話す程度。取引につながることもほとんどない。さっきも電話があって、うちの事務員が対応していたのだが途中でかわった。

いま使っている牛が放牧系なので他にも放牧系を探しているとのことだった。よく話を聞くと、いわゆる放牧もどきの牛だった。よくあることだ。こうなると面倒くさい。熟成肉と同じで、外で日向ぼっこさせてるだけでも放牧させてるという生産者がいるのでややこしい。たしかに放牧ともいえるが、できればお散歩と言ってほしい。

さて、あまりご存知ないかも知れませんが、日本で放牧で牛を飼っている人は少ないのです。僕がいう放牧とは季節放牧や時間制限放牧ではなく、365日真冬でも真夏でも雨の日も雪の日も牛舎に入らず山や野で暮らす完全放牧のことです。

ジビーフは完全放牧です。全て牛まかせですが、けっして楽ではありません。ほったらかしなので楽だと思われがちですがとんでもない。舎飼いのように一頭一頭を管理できないので日々の状態がわかりにくく、決められた時間に餌をやるわけでもないので、いったいどれだけ餌を食べたのかも分からない。熊に襲われる危険性もあり事故も起こりやすいのです。

放牧がよくて舎飼いがよくないというわけではありません。双方にメリット、デメリットがあります。ただ、売りやすいのは断然舎飼いの牛です。手当ても楽です。ジビーフは難しい。でも楽しくて仕方がない。使った人ならわかると思います。食べた人ならわかると思います。この味を知ってしまったら、だらしなく脂にまみれた肉は食べられない。味が抜けた赤身肉も食べられない。

覚悟を決めて命がけで完全放牧の道を選んだ生産者。だからこそ焼き手も食べ手も選びたい。生意気ですみません。

8/21屠畜のジビーフ、2週間で仕上げて余市へ。

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