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牛肉価格の高騰で切り落としがお手頃じゃない昨今の事情

公開日: : 2016/03/26 近江牛, わくわく定期便

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先日のセリは私がいままで見たこともない光景でした。通常のセリなのに共進会レベルの異常な高さ(価格)でバンバン落札されていくわけです。いくら枝肉相場が高騰しているからといっても、これでは経営体力が持ちません。しかし慣れとは怖いものですね。かなり高値なのにほんの少しいつもより安く落札できただけでラッキーって思ってしまうんですから・・・

いつまでもこの価格が続くとは思いませんが早く落ち着いてほしいものです。だって誰も得していないんですから。肥育農家さんは、仔牛を高く買って出荷の時期に相場が下落していたら大損ですよ。いまが高値だからと言って安心できないです。二年後三年後を見据えた経営やらないとね。

さて、肉屋もレストランも我慢の限界とばかりに販売価格を少しずつ上げている感じですが、安価でお求めやすい切り落としでさえお手頃感がなくなりつつあります。端材を集めて商品化する切り落としだからこそ安価な価格設定が成り立っていたのですが、素がこれだけ高けりゃ端材といえども早々手が出なくなるんじゃないかと心配する同業の声もあります。まさしくです。

わくわく定期便は3パタンのコースがありますが、すべてに切り落としが入ります。通常価格をご覧いただければいかにお得なのかがお分かり頂けるかと思います。当日発送分には、事前の切り置きは一切せずに、その日にスライスしています。牛が変われば味が変わるので必ず試食はするのですが、切り落としには結構こだわりがありまして、すき焼きにしても十分おいしかったと言っていただけるものを選ばせていただいています。以前に経産牛の肩ロースを切り落としにしてお叱りを受けたことがありましたが、基本的にはブリスケをベースに当日使った部位の端材を用いています。

昨夜は切り落としで肉じゃがを作ってみたのですが、ロースの端材だったので脂がおいしかったですね。スネも薄くスライスして入れてみたのですが、まったく違和感なくこちらもおいしかったです。価格高騰でどこのお店も大変だとは思いますが、おいしいお肉を売るという使命はみなさん同じだと思いますので、我慢のしどころ、踏ん張らないといけませんね。

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