【第2回肉Meets】みずほキャビアはマイルドなおいしさだった

島根県邑南町の豊かな町でチョウザメ養殖。本来の味にこだわった極上のフレッシュ・キャビア
第2回肉Meets in イルジョットは愛農ナチュラルポークと近江牛熟成肉のダブルメインという形で大いに盛り上がりまだ余韻が残っている。本当にすばらしかった。
さて、今日は第2回肉Meetsに花を添えてくれた「キャビア」のお話です。
「みずほキャビア」といいまして、北村貴さんが持ってきてくれました。
じつは、チョウザメの養殖地でもある島根県邑南町は私にとって思い出の地でもあるのです。
2009年に、田舎の逸品としてOh!セレクションで大賞を受賞したのだが、この賞の主催が邑南町だったのです。受賞式に出席したのだが、とにかく遠くて道に迷って山道に入ってしまい、おまけに風邪をひいて熱までだして、追い打ちをかけるように宿泊先に暖房設備がなくて寒くて寒くて、受賞式当日は顔が真っ青で笑顔一切なしという最悪のコンデションという思い出の地であります。受賞式の写真(→クリック)笑顔がありませんがけっして機嫌が悪いわけではありません。38度の熱でふらふらの状態だったのです。
Oh!セレクションとは、全国公募型の田舎の逸品おとりよせコンテストで、食通によるモニター審査に通過後、最終審査は平野レミ氏を中心とする食のプロが厳しく審査した逸品が認定されます。そして、認定商品の中から「近江牛専門店が極めたカレー」が最優秀商品として大賞を受賞しました。
北村貴さんが邑南町の生産者の方々を応援しているということもあり、みずほキャビアを調達してくれたのです。これがおいしくて塩分控えめで自然の味がするんです。しかも真珠のようにキラキラ輝いてキレイなんです。田舎にはこういったすばらしいモノ作りをしている方がたくさんいらっしゃるんです。

高橋シェフ 特製パスタキャビアのせ
10年前のブログにこんなことを書いていた。
全国どこへ行っても地域の特産品や地域ブランドは人気があります。
では、なぜ地域の特産品や地域ブランドが人気なのか?
それは、もともとが希少価値であり、手造りであり、おまけに手間がかかっていて、なんといっても原料がその地域でしかとれないからです。
ただ、地域の特産品の欠点というか難点は
NB(ナショナルブランド)のように大量生産ができないことです。
当店の近江牛カレーもハンバーグも毎日のように大手企業から取引依頼があります。
でも、数少ない原料で作っているため受けるに受けられないのが現状なのです。
もし、万が一ですよ、これを受けてしまったらどうなるのか?
例えば、某人気番組で紹介され司会者やゲストのタレントたちが絶賛したとしましょう。
するとどうなるのか?
検索されまくり商品はすぐに売り切れることが安易に想像がつきます。
そこへ今度は量販店が目をつける。
小売店もスーパーでも扱いたいと問い合わせが増える。
大手企業からの取引依頼を受けてしまった場合と同じです。
そして、取引がはじまり、大量販売のシステムに乗ってしまうと限られた原料の場合、こういうことが考えられます。
もともと限られた原料だから、しだいに商品(製品)が不足しだして生産段階、加工段階、 卸段階、小売段階、この4つの流通過程の段階で、何らかの増量行為や生産方法の変更(大量生産型)が行われるようになります。
いわゆる「偽装」だ。そこに利益があればなおさらやめられない。
結果どうなるのかというと、原料生産以上の商品が市場マーケットに並ぶということになる。
先日、北九州市の百貨店で偽装が発覚しました。
テナントの食肉店が「松阪牛」と偽って九州産の牛肉を販売していたとということだ。
「松阪牛」も「近江牛」も「地域ブランド」であり、原料生産から加工、販売まで、地域に徹してこそのブランドであり、それでこそ価値があるものだと思う。
銘柄牛、銘柄豚、銘柄鶏も生産量には限界があるのです。
スーパーやコンビニなどでは欠品がおこると業者に売上を補填させるところもあるらしいが、販売量にあわせた生産システムではなく生産量にあわせた販売システムでなければ、いつまでも間違ったことが繰り返されるように思います。
昨日の記事にも書いたことだが、もう一度書いておきたい。
「コト」背景やストーリー、「モノ」を商品とした場合、コトの中にモノを埋め込むことが今後のビジネスには重要だと思う。ビジネスと言ってしまうと冷たい感じがして嫌なのだが、日本にはまだまだ知らない優れた美味なるものがある。もちろん大量生産などできない。10年ほど前は、こういった商品にテレビが目をつけ、企業がそこに群がり、そして生産以上の商品が市場に出回る事件が起こった。
大量生産できないが、本当に愛を込めて、ただ好きと言うだけで商品作りをしている、いつまでたっても苦労が報われない生産者とイルジョットの高橋シェフのような方を繋いでいきたい。
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