素材を知っている人の仕事とは
公開日:
:
2015/03/08
イベント

私は肉以外のことはまったくもってダメダメで野菜も魚も名前すらわからない感じです。私がなんでも知っているように見えるのか、一緒に食事にいくと出てくる食材の質問をされるのですが、できればやめていただきたい。ほんとうにわからないんですから。
肉に関しても毎日新たな発見や気づきがあり、おそらく包丁を握れなくなるまで知らないことがたくさんあると思うのです。私は肉屋ですから精肉にする前の塊肉、つまり部位ごとの特性についてはそこそこ詳しいです。まぁ、私じゃなくても肉屋ならあたりまえに知っていることばかりです。ただ、毎日のように牧場へ出入りしているので生体についても生産者レベルではないにしても詳しい方だと思っています。枝肉に関しても何十年もセリ場に出入りしているので目利きはできるほうだと思っています。枝肉から骨を外す技術も19歳からやってますから出来てあたりまえなレベルです。
おまえはなにが言いたいのか、と突っ込まれそうですが自慢したいわけではなく、肉を知るということは牛を知ることなんだと最近つくづく思うのです。私の場合は自分で肉を捌きますから特にそのようなことを感じるのかも知れませんが、レストランで食事をしていても「素材を知っている人の仕事」とそうではない人の仕事はすぐにわかります。ただし肉限定ですが。
輸入牛肉であれ高級和牛であれ素材に適した料理法がありますし、処理の仕方があります。たとえば、肉は繊維に逆らってカットするのがセオリーですが、部位によってはあえて繊維にそってカットして食感をた楽しませてくれたりするわけです。もちろんそれが知らなくてやったことなのか意図的にやったことなのかは肉仕事をみればすぐにわかります。
写真はハラミ(左)とランプ(右)ですが、焼き方を変えています。厳密に言えば油の量を変えています。ハラミはランプに比べて火のとおりが早いのでひたひたの油で一気に焼いてしまいます。旨味を逃がさないために表面をキャラメル状に固めて、あとは弱火でじっくり火を通すのです。私はレアが好みなのでそこそこの火入れで十分なのですが、一方ランプは肉の半分近くの油で火入れしていくわけです。
こんな感じで素材を知っている人の仕事はじつに繊細なのです。枚数を焼いているシェフは経験値が高く肉の特性をよく知っています。さすがに私は料理人ではないので枚数を焼くことはできませんが、食べる量は人の2倍、3倍は食べているんじゃないかな。けっこうな味音痴だと自負しているのですが肉に関してだけは敏感だと思っています。
さて、4月に木下牧場でBBQを開催するのですが、なぜかこのイベントの問い合わせがちらほらありまして、大変申し訳ございませんが募集はしておりませんのでご了承ください。
もともとは、私とLe14eの茂野シェフが木下牧場でとある事情でBBQやりたいよね、という話になり、それならクレメンティアの田淵シェフも呼びますか、イルジョットの高橋シェフも声かけます、じゃー、愛と胃袋の信作シェフにも声かけて、名古屋のだれそれ、福岡のだれそれ、ワインはどうのこうのと、10名だったか12名だったかになり、最終的にシェフとワイン屋さんが集まるBBQになってしまったのです。木下さんの肉や私がエージングしている肉を使ってくれているシェフばかりなので、さながら肉を焼きながらの勉強会のような感じです。木下さんの自宅でやりますので人数制限があるのですが、当日晴れれば外でやりますのでもう少し来ていただいても大丈夫な感じです。ただ晴れること前提で募集できないので大変申し訳ございませんが… なのです。
私は食べるだけかと思いきや、骨付きロースを持ちこんでカッテングの実演をすることになりました。こちらもシェフからの要望がありまして、骨付きで仕入れて必要分だけ骨を外して使いたいとのこと。手を切らないようにがんばります。
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