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今後増え続ける「“付加価値”のある牛肉」の可能性

公開日: : 2013/01/07 雑記

イチボ

 「肉焼きレッスン」という本を見つけた。

「この一冊で肉焼きが上達する」と表紙に謳っているだけあって、参考にして火入れしてみたらイチボがいつもより上手に焼けた。

もし、もしですよ、ステーキ店や焼肉店にワインのソムリエのような、肉焼き専門のミーマイスターがいれば、付加価値のある店としてクローズアップされる可能性が高いのではないだろうか。

大阪の某焼肉店では、肉の説明をしながら焼いてくれる方がいた。
その方はすごく雰囲気があって、安心して“俺の肉”を任せられる。

ただ説明するぐらいならマニュアルがあればできる。大切なのは雰囲気だ。
その方は(名前を失念)私よりも年上で、道場六三郎氏に少し似た感じの人だった。

顔が似ているということではなく、テレビの画面から感じる雰囲気がなんとなく似ていた。
文章が過去形なのは、この方は数年前にお亡くなりになられたからだ。
いまは若いスタッフがバトンタッチしているが、残念ながら重みがない。

さて、あいかわらず焼肉店開業の相談が年始から2件あった。
「やめときなはれ」な内容だった。

昨年もたくさんの問い合わせと、お取引いただいたケースを少しまとめてみると、今後ますます増え続けると予測できるのは、国産牛でもなく和牛でもなく、「“付加価値”のある牛肉」ではないかと思う。

たとえば、赤身肉をおいしく食べるための1つの方法として、「熟成肉」があり、産地と繋がっていたり、珍しい肉が食べられたりと、付加価値をどのようにして商品にくっつけるかが課題となりそうだ。

冒頭に書いたようなマイスターがいたり、焼肉店なのにワインソムリエがいたり、ありえないが大島優子がバイトしていたりと、こういった付加価値もありだが、肉を仕入れて売るだけでは商売として成り立たないのが現実で、新しい価値観を創造する、もしくはズレた感覚が必要ではないかと思う。

今日は、きたやま南山にて「松井敬樹くんを食す会」が開催される。

松井敬樹くんというのは私の知人で、木下牧場の取り組みに共感し、何度も牧場へ通ううちにすっかり木下家の人柄に惚れ込んでしまって、ついには生まれたばかりの牛さんに自分の名前をつけられてしまったのだ。

彼は、肉になるまでの2年半、牧場へ通い続け「松井敬樹」に関わりつづけてきた。
それは、木下家の人たちが、「牛を産ませて殺して生活している」という事実にどうやって向き合っているのかを、自分でも体験したいという気持ちが少なからずあったからだ。

「松井敬樹くんを食す会」をやりたいんですが・・・

と相談されたときは、そんな個人のイベントにだれも参加しないのではないかと思っていた。家族でやっとけよ・・・みたいな。

恐らく場所を提供していただく南山の楠本社長もそう思っていたに違いない。
楠本社長と30名集まったら開催しようということになり、本日開催の運びとなったわけだが、集まったんですよ、30名!

人間、松井敬樹の人徳なのか、それともたんに肉好きが集まっただけなのか、どちらにしても“共感”してくれた方々が集うことには間違いない。

自分の名前がついた牛の肉を食べるイベントを開催して、人が集まるなんて恐らく同業者および畜産関係者は想像すらできないのではないかと思います。
違う意味で私だったら恥ずかしくてやりませんが・・・。

土俵をズラした結果、30名集まった。
ということになるのだが、肉をただ仕入れて売るだけでは30名はおろか10名も集まらなかったのは容易に想像できる。

以下、人間「松井敬樹」がFBで募集した文面だ。

今から約3年前、(株)サカエヤの新保社長のご縁で、近江八幡・大中の木下牧場さんとお会いさせていただきました。

それ以来、元気で笑顔で豪快な木下ファミリーに、いつも活力を分けてもらい仕事に邁進することが出来ました。

近江牛といえば、滋賀を代表するブランド食材ですが、実際に生産者の方とお会いすることも無かった上、どのような育て方をし、そしてどのような思いを持って命に向き合っているのか?
は、一消費者として恥ずかしながら何も知りませんでした。

愚問でありますが、「出荷するとき悲しくはないのですか?」など素人質問を連発していましたが、牛は生まれながらにして、人間に食べてもらう宿命であり、その命を無駄にすることなく、喜んでもらうためには「美味しい」と言ってもらえることこそ、牛に対する一番の愛情であるという答えに共感し、そしてひとつの思いにつながりました。

それは、「まついひろき」という名前の牛を育てていただき、人間「松井敬樹」の仕事の信条である人の輪を作るきっかけにしたい!ということでした。

「美味しい近江牛」を食べ、そして笑顔になれるつながりの場所を「まついひろき」という近江牛が繋いでくれたら!という思いです。

ちなみに、肉嫌いであったうちの長男は、木下牧場さんの近江牛に触れて以来、お肉を「きのした」と言い、喜んで食べるようになったということも
「本当に美味しい牛肉」は子供にウソはつかれへんという証明のような気がしてなりません・・・

そして2年6ヶ月という期間を生まれ落ちた瞬間(木下牧場さんは、純近江牛を育てるために、自分たちで種付けをし出産させ肥育する繁殖肥育一貫生産をされている滋賀県の中でも数少ない牧場なのです)から、出荷されるまで、自分たちで育てた飼料(牧草です。)でしっかりと、かつ愛情をかけて育てていただきました。

その「まついひろき君」は、極上の近江牛として出荷され、京都 北山「南山」さんにて多くの人を笑顔にする機会をいただきました!!

その希少かつ、極上の近江牛「まついひろき君」を特別に調理していただきまして、人間のほうの松井敬樹にご縁ある皆様方とともに食べていただく会を設けさせていただくことになりました。

是非、多くの皆様と一緒に「まついひろき」を食しながら、集っていただいた方々のまた素晴らしきご縁になればと思います。

当日は、19時~19時30分までを、南山の楠本貞愛社長による「まついひろき誕生物語」ならぬ、木下牧場さんとの取組みなどのお話もしてくださいます。

この場を機会に、是非、木下牧場さんのあふれ出る近江牛物語も知っていただけ、そして(くどいですが・・・)多くの皆様の縁がまた広がるような「美味しい・笑顔・繋がる」場にしたいと思います。

新年早々ではありますが、是非ご参加の程お待ちしております。
(ご家族でもご参加いただくことが出来ます!!)

 

 

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