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また食べたいね、といっていただける牛肉

公開日: : 2012/04/17 近江牛

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昨日は、近江牛のセリでした。

通常のセリではなく、共進会といって枝肉の品評会で
わかりやすくいうと生産者が技を競い合うコンテストのようなものだ。

最優秀者や優秀賞に入ると表彰され、ご祝儀価格で落札されます。

生産者はこの日のために仕上げた、特別な一頭を出品しするわけですから
結果に一喜一憂するわけだ。

ところで、どのようにして最優秀や優秀賞を決めるのかご存知だろうか?

A5やA4といった格付けについては、このブログでもたくさん書いてきたので
ご存知の方も多いと思うが、日本の牛肉の価格に大きく影響するのが格付けである。

その格付けの指標の1つがサシの入り具合だ。

「サシ=霜降り」がたくさん入った肉ほど高値になりやすく、評価が高くつけられる。

逆に格付けの低い、A3やB3などは、赤身が多くよほどのことがない限り
高値で売れることはない。

ここで注目したいのが、サシ評価は、脂肪交雑の度合いと歩留まりであり
「味わい」に関する項目は入っていないということだ。

つまり、日本の牛肉は「見栄え」重視で、味は二の次なのである。

「サシ=おいしい」「やわらかい=おいしい」

この定義が畜産関係者および、消費者に根強く植えつけられているように思う。

子供を産んだおかあさん牛、いわゆる経産牛は肉質が硬くサシもないため
廃牛扱いで取引されるのは、こういった背景があるからだ。

一方、ヨーロッパの牛肉の歴史は日本よりも古く、牛と人間はきってもきれない関係で
生活に常に密着していた。

たとえば耕作や運搬に使われていた役牛は加齢や筋肉の発達によって肉質は硬く
サシが少なく赤身が強いのだが、日本と違うところは、そういった肉を使いこなす料理法が
確立されていることだ。

喜ばしいことに、近年、若い料理人たちはフランスやスペインへ料理の修業にでかけ
数年後には日本で開業するパターンが増えてきている。

そして彼らが探すのが、赤身の肉なのである。
しっかりとした歯ごたえがある赤身肉に、肉本来の旨さを引き出す料理法を学んだ料理人たちは
本当は和牛で身元確かな赤身肉を使いたいのだが、残念ながら日本の和牛はサシ重視のため
ホルスや輸入牛肉を使わざるをえない。

誤解されるといけないので言っておくが、私はサシのある和牛を否定しているのではない。
逆に格付けがあるから、輸入牛肉との価格競合から区別され、日本の和牛文化を守ることが
できていると思っている。

ただ、いくら評価が高い牛肉でも、私はサシのある肉は1枚も食べれば十分満足してしまう。
そして、自分で食べたいかというと、お世辞にもYESと言えない。

それよりも、赤身でおいしい牛肉の食べ方を追求していきたい。

「あぁ~おいしかった、しばらく肉はいいや」

そう思われるより、

「あぁ~おいしかった、また食べたいね」

そう言っていただける牛肉を販売し続けていきたい。

つまり、使い手(販売者)の満足ではなく
私が食べたい牛肉かどうか、それが需要であり、
それこそがお客様本位の商売であると思っている。

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