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まぐろと牛肉イルジョットにて

公開日: : 2019/10/12 イベント

6月5日、まぐろの仲買人、フジタ水産の藤田さんと新橋のしみずさんで鮨を食べた。写真がモノクロなのは昼間から飲みすぎて顔が真っ赤だから。ちなみに藤田さんは2009年にプロフェッショナル仕事の流儀に出演されてるので僕の大先輩です(笑)

藤田さんは夕方6時には寝てしまうので、昼間しかゆっくりできないのです。この日もそんな感じでしたが、+と+同士の会話はどこまでいっても尽きることはない。真っ直ぐ曲がり角なしといったところ。信念を貫き通すということは、ときとして周りに迷惑をかけることもある。しかし、性格と一括りにしてしまえばただの変わり者で終わってしまうのだが、藤田さんの言葉からは職人の意地、プライドの強さを感じた。

10月1日放送のプロフェッショナル仕事の流儀はHAJIMEの米田シェフだった。「天才の素顔」と題して紹介されていたが、僕の印象は、臆病だから用意周到だし、臆病だから細部にまで気が回るし、臆病だからお客様のしぐさや顔色に敏感だし、臆病だから人の何倍も努力するし、臆病だから潔癖だし、つまり米田シェフは臆病なんです。臆病の真逆が鈍感です。鈍感な人が料理すると散らかります。皿の端っこについたソースの一滴すら気にならない。掃除も適当。臆病な人はときとして鈍感な人がうらやましく思えることもあります。臆病ゆえに気がつきすぎる。だからついつい口うるさくなる。僕の周りにいる一流はみなさん臆病です。

藤田さんも臆病です。藤田さんの哲学は「選ぶ基準は味がすべて。味が良くなくては意味がありません。まぐろが10本入荷しても”一番”とされるものは1本だけ。その1本ですら気に入らないことは、よくあります。自分が旨いと思うまぐろしか、買いたくないんです」。たとえ店の在庫がなくなっても、自分が納得する魚でなければ、またお客さまに納得してもらえる魚でなければ競り落とさない。今年に入ってまぐろ買ってないんですよ、、、

ヤバイね、、この人(笑)

さて、9月29日、場所はイルジョット。僕が考えるコラボレーションはお互いが持っていない能力を合わせて1+1=3にすることであり、意味のないものならやらないほうがいいと思っている。だって大変ですからね。この日はお昼12時にスタートして終わったのは18時でした。

藤田さんのまぐろは職人の手により、大トロ、中トロ、赤身の握り、鉄火巻、手巻きと続いた。

高橋シェフもまぐろのほほで一皿作ったのだが、さすがでした。藤田さんのまぐろは見た目がよくない。そこに光を当てて価値をつけるのが藤田さんの目利きであり職人技だと思う。新保さんと同じですねと言われることがあるが、僕は自分で職人とは思っていないので、そこまで突き詰められているのか自問自答すると、、、まだまだかな。肉職人なんて恥ずかしくて言えない。肉屋の主人がいいところだろ。

この日のために僕が選んだ肉は、ジビーフなおみ(191ヶ月令の15歳)人間だと80歳くらいのお婆ちゃんです。脂は黄色くて肉は硬く身は薄い。市場価値はないです。黒毛和牛のA5と真逆の肉であり、少数の人に振り向いてもらえうために手当てする。サシの多いA4やA5はだれが焼いてもおいしい。もちろんプロとアマの差はあるが、肉がうまいから失敗は少ない。しかし、ジビーフは難しい。そのうえ13産しているなおみはいわゆる経産なので、焼き手の理解も必要だ。

これが13産した肉なのか?!.. 驚きしかない。もちろん手当てはしたが柔らかくはない。柔らかくすることもできるのだが、そうするとジビーフのよさがなくなる。どこで止めるかなんです。牛肉というカテゴリーではない牛肉のような・・・不思議な肉です。

近江牛ハラミカツ。カッティングを基本から外しています。通常は繊維に逆らって切るのですが、それだとサシのあるハラミは食感が柔らかすぎて胃もたれします。逆らわずに切ることによって少しの歯ごたえで咀嚼する回数が増えます。そうなるとくどさが軽減され、最後まで残さずおいしく食べられるというわけです。衣と肉の密着度もあいかわらず。ナイフで切っても衣が剥がれることはありません。

約6時間というトライアスロンのような食事会でしたが、おいしければいいじゃん、楽しければいいじゃん、もちろんそいうい考え方もあります。でも、僕はどこまでいっても学ぶ側であり、藤田さんから多くのことを学ばせていただきました。高橋シェフ、明石さん、ご参加みなさま、ありがとうございました。

 

 

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