フランス産のバザス牛を吊るしとドライエイジドで短期熟成してみた結果はいかに
公開日:
:
2016/08/22
熟成肉
フランスで有名な牛肉といえば、シャロレーやリムーザン、ブロンドダキテーヌ、バザスあたりでしょうか。私がフランスの友人数名に「どの品種が一番おいしいの?」と聞くと答えはバラバラ。じゃー「おいしくないのは?」と聞くとみなさん打ち合わせしたかのように同じなんですね(答えはナイショ)もちろんバザスじゃないですよ。
さて、バザス牛のリブロースとサーロインを骨付きで預かったのが7月29日のこと。海外の牛肉は赤身が多く食べやすいのですが、どうしても旨みに欠けるのです。万人受けする牛肉もいいけど、せっかくなのでフランスで食べるバザスよりおいしくできないものかと、いろいろ試そうというわけなんです。
結果的にはフレシュの状態のほうが良いかも知れませんし、逆にいじくりまわしたほうが良いかも知れません。私もフランスの牛肉は手当てしたことがないので手探り状態ですが、友人のイブマリに聞いた話などを参考にしながら、私流のやり方でまずは吊るしとドライエイジドで短期熟成を試みてみました。第一回目の試食を8月27日に設定し、第二回目は9月22日を予定しています。20日と50日の熟成期間を目途に手当てしていきます。
サーロイン:入荷直後↑
この時点で、肉が酸化しているようでしたがフランスの肉屋で何度か見たときもこんな感じだったので問題ないのでしょう。日本だったらギリギリセーフ、、、みたいな感じかな。
サーロイン:吊るし20日目↑
ちょうど20日経過したところです。断面はさすがに乾燥して変色していましたが3㎝程度削ればこんな感じで色鮮やかな小豆色が顔を出します。ただ、吊るすときにS字フックをランイチ側の骨にひっかけたのが原因なのか、少し酸化が進み黴が発生していました。水分量もリブ側よりサーロイン側が多く、肉に圧をかけると水分が浮き出てくるほどでした。
サーロイン:ドライエイジド20日目↑
吊るしとは対照的に水分量がかなり減少していました。とはいっても20日程度なので40日後、50日後を観察したいと思います。
リブロース:入荷直後
見ようによってはアウトでしょう(笑)
でも、表面だけですから3~4㎝削げばまったく問題ありません。フランスの肉屋でみたものは、この状態をキープして表面を固めていく感じでした。ちょっと我慢比べなところもありますね。
リブロース:ドライエイジド20日目↑
かなりキレイな仕上がりです。こうやって見比べると入荷直後は疲れてますね。20日経過して息を吹き返したかのように肉が輝いています。
ちなみに、こちらはジビーフです。なんかすごくないですか?!フランスの牛肉は赤身が特徴ですが、ジビーフも負けてませんね。この2種を食べ比べようというわけですからいまから楽しみです。
ということで途中経過でした。
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