パッソ ア パッソ有馬シェフ VS ジビーフ「やいこ」と「やなせ」
公開日:
:
2015/11/27
ジビーフ(完全放牧野生牛)

門前仲町のパッソ ア パッソ有馬シェフによるジビーフ食べ比べはかなり感動したのでした。有馬シェフはジビエ使いとして有名なので、それはもう期待せずにはいられません。なんといってもジビエ+ビーフ=ジビーフですからね。この日に用意したのが9月29日と畜の雌「やいこ」と11月6日と畜の去勢「ヤナセ」です。やいこは吊るしで40日は経過しているので肉としてはギリギリです。12日にロテスリーレカンで高良シェフが焼いたときがピークでした。あれから2週間経過していますから、すでに自由水が抜けきっていて結合水をどう使いこなせるか… このあたりがポイントです。一方のヤナセですが、こちらはいままでで一番状態がいいんじゃないかな。触感でおいしいとわかる肉です。

料理はクエのフリットからはじまりアナグマのレバーペースト&真鴨のレバーペースト、そしてジビーフのロース骨で出汁をとったコンソメスープが絶品でした。

余すところなく使いたいという有馬シェフでしたが、骨まで使い切っていただきやいこもヤナセも幸せな牛生だったと思います。最近は骨付きで仕入れているシェフが増えてきましたが、ぜひ骨まで生かしていただきたいですね。骨付き肉は骨を外す作業がひと手間かかりますが、脱骨しない限り肉が酸化しにくいので旨味も増していきます。

続いて、コジュケイとヤマシギのパスタ

ツキノワグマのラグーのリゾット
この他にも、ツキノワグマのハムやらアナグマやらキジにハクビシンに・・・とにかくおもしろい。普段食べ慣れない物ばかりなので何回「へぇ~」を言ったことか。


そして、いよいよジビーフのステーキです。ペアリングに蝦夷鹿も一緒にとは有馬シェフ、さすがですね。



左から鹿、ジビーフのヤナセ、やいこです。ソースはこれまた北海道揃いでハスカップです。
おいしさのピークを過ぎてしまったやいこが心配でしたが、すばらしい火入れで驚くほどおいしくいただくことができました。有馬シェフいわく、火の通りがゆっくりで途中から一気に火が入るとのことでした。このあたりは肉をたくさん焼いてきた経験がものを言いますね。ちなみに、有馬シェフは今回はじめてジビーフを触ったのですが、茂野さんところ(Le14e)ですでに食べていたようです。
さて、この時点で写真を撮り忘れていますがかなりの量がでてきました。和牛なら完全にごちそうさま状態ですが、さすがジビーフです。まだまだお腹に余裕があります。それを見越してかこんなものまで用意してくれていました。

ジビーフのハンバーグです。やいこがねっとりした肉質だったのでつなぎはなしだとか。ほんの少しだけ鹿肉を混ぜたと言ってたような・・・

赤身すぎてごめんなさいのジビーフですから肉汁なんて一切でません。そもそもテレビなんかで肉汁溢れるシーンをアップで映してタレントさんが「すごい!肉汁が溢れてます」とかやってますが、あれって脂ですからね。脂のないジビーフは当然ながら一滴の肉汁もでません。これでようやくお腹が落ち着いた感じです。

デザートも圧巻でした。ツキノワグマの脂を練りこんだアイスは濃厚でした。
「ジビーフはおもしろい肉」有馬シェフはそう言っていました。難しい肉ではなくおもしろい肉。そのように感じていただけるとすごくうれしいのですが、当たり前のように個体差が違います。特に水分量がかなり多いときもあれば少ないときもあります。ヤナセなんかは骨付きで吊るしておいたのですが、入荷間もないのに腐敗に走る気配があり、本日慌てて骨を抜いた次第なのです。とにかく目が離せないというか見張っていないと何をしでかすかたまったもんじゃないという感じです。
ありがたいことにジビーフたちは肉と真剣に向き合ってくれているシェフの方々に使っていただいています。生産体制は現在月1頭ですが2頭になっても3頭になっても、使っていただけるシェフが増えるよう中身の濃いジビーフを育てていかなければと決意を新たにした次第です。すばらしい料理とそれに向き合うシェフを目の当たりにすればいつも以上に背筋が伸びるのでした。
ジビーフ「やいこ」を食べる会は、29日に開催される兵庫のポッサムチプで最後となりました。大阪の遊山さんに続く焼肉となりますが、いったいどのような展開になるのか、いまから楽しみで仕方がありません。
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