都心の若者と農業生産者をつなぐ「こだわりの食材バル」
昨年開催されたイベントですが、都心の若者と農業生産者をつなぐ「こだわりの食材バル」が有楽町と日比谷で開催されました。首都圏で暮らす若者、特に女性と全国の農業生産者を結びつけるイベントで、「街バル」のシステムを利用して情報を発信する取り組みです。この「街バル」に農業生産者のこだわりを消費者に届けるという要素を取り入れた点が、今回開催された「食材バル」の特質なのです。
北海道から熊本まで19の生産者が参加して食材を提供。41店のレストラン・飲食店のシェフがそれらを使ってオリジナルメニューを開発。消費者はそれを食べながら生産者のこだわりにふれるという試み。参加店は、通常なら産地表示程度にとどまる情報を、生産環境まで拡大して情報に裏付けされた料理の提供が行われました。
当店は近江牛の赤身肉(スライス)で参加させていただいたのですが、有楽町エリアを担当させていただき、ご要望をいただいたシェフの方々によって来店者を楽しませてくれたのでした。
レストランや飲食店に行くと、「黒毛和牛」や「国産牛」という表示を目にした人は多いと思う。でも、その先を知りたいと思う人はいったいどれくらいいるのだろうか。肉ならなんでもいいや、とにかく腹が減ってるからそれどころじゃないや。おいしかったらいいんじゃない。… こんな感じなのかな。もちろん悪いといっているのではなく、他人の財布に難癖つけるつもりは毛頭ありません。
ただ、流通や販売、そして料理する側は農産物を熟知するからこそ優れた料理を提供でき、新しい価値が増えていくと思うのです。特にレンジでチン的な食材を仕入れていない料理人のみなさんはなおさらじゃないかな。
料理人だけじゃなく、消費者の方だって同じだと思うのです。生産者を直接知らなくてもその裏側を知ることで食材への思い入れと安心、安全を手に入れることができると思うのです。私が取り扱っている牛肉や豚肉だってそうです。近江牛は問屋さんから仕入れるのではなく、私が知っている生産者のものしか扱わない。知っているということは生産者だけではなく現場にも足を運んで確認することです。豚も鶏もしかりです。届けるのは(伝えるのは)食材の情報だけではなく、生産現場の情報も届けてこそ価値ある食材になるのです。
「黒毛和牛」や「国産牛」のその先にも興味を持ってもらえるよう情報発信を続けていきたいと思います。
関連記事
-
-
うを徳×サカエヤ×ワイナリー和泉屋コラボ会
明治の日本を代表する文豪、泉鏡花の『婦系図』のモデルとなった神楽坂の老舗「うを徳」。『婦系図』の中に
-
-
2月23日は「赤身肉と旬野菜とビオワインの魅力を味わう食事会」
雪の中でしっかり大地を踏みしめて完全放牧野生牛が育っています。表現的には生きているといったほ
-
-
ecobeef 経産牛セミナー
あか牛はおいしくないやんか。名も腕もあるシェフの言葉だった。ここだけ切り取ると関係者はいい気
-
-
熟成肉をロレオール伊藤シェフが焼くとこうなる
「いわての安全安心な食を豊かに味わう会」 と銘打って、10月24日に京都のきたやま南山
-
-
肉Meets in 山下ワイン食堂は前菜から度肝を抜かれた
1社の食品偽装が明るみになると次から次へと各社の偽装が露呈するという雪だるま式は10年前から変わらな