しっとりおいしい沖縄の肉
公開日:
:
2015/01/29
熟成肉
昨年から沖縄産の経産牛が入荷してきているのですが、そのままでは味に深みがないので、再肥育をかけてから40日間熟成させています。個体は小さめで赤身が強い牛肉です。
骨付きのままミートラッパー(肉を保護するための布)をせずに保管しているのですが、同じ条件で他の肉を熟成させるとうまくいかないことがあります。例えばロースだけ吊り下げている小さな熟成庫があるのですが、至近距離でファンがブンブン回り続けているわけです。当然ながら肉に風が当たるのでミートラッパーを2重巻きにして保護しています。このように個体の見極めだけではなく、冷蔵庫の環境によっても変化させていかなければおいしい肉になってくれません。
さて、沖縄県産の熟成肉ですが私がおいしいと思っていても気になるのは実際に焼いてくれるシェフの評価です。ちょうど某ビストロに送ったばかりなので一昨日の東京出張の際に当日予約で無理やり席を作ってもらいました。肝心の肉ですが、水分量もちょうどいい塩梅に減少していて余韻も長く私的にはかなりおいしかったのです。残念ながらこの時点ではシェフ(写真左)は、まだ食べていないらしく、けれども肉を触った感触と焼いたときの印象はかなりの評価をいただきました。
翌日、シェフから連絡がありまして、「あまりにもおいしかったので思わず連絡しました」とうれしい感想をいただきました。わざわざ連絡くれるってよっぽどだと思いませんか?!… いや、ほんとうにおいしいんです。
生産者の方は、おいしい肉になってくれるよう育てて出荷するのですが、シェフからこのような評価をいただけることは牛飼い冥利に尽きると思うのです。ただ、悲しいかなこういった声は生産者には届かないのです。
生産者は牛を出荷した後の流通経路は分からないのです。もちろん一部には例外もあります。生産者が肉屋や飲食をやっているパターンもありますし、木下牧場のように私たちと一緒に協業しているパターンもあります。ですが大半は出荷後は見えなくなるのです。だから生産者は自分が育てた牛の肉を食べたことがないという方が意外と多かったりするのです。
沖縄県産の経産牛、あと5頭良い状態で仕上がっていますので興味のある方(一般販売はしていません)ご一報ください。生産者の愛と私の執念(笑)でかなりおいしくなってます。
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