綾部さんの花房和牛(経産牛)は熟成肉として本日ようやく仕上がりました
長崎県の綾部さんから「うちの肉を食べて感想を聞かせてほしい」とメールがきたのが3月のことだった。フライパンで焼き、オーブンでローストし、スキレットで揚げ焼きし、様々な調理方法で試した後、綾部さんに感想を伝えた。
まったく知らない人から連絡がきて、肉が送られてきて、というようなことは珍しくはないので、気になった方(肉)は代金を支払って勉強させていただいている。うちの店や牧場を見学したいという方もたくさんいるのだが、これはお断りしている。
受け入れ態勢ができていないことが最大の理由だが、綾部さんには来ていただくことにした。理由は、話し方が長崎出身で福岡で観葉植物を販売している私の友人と似ていたからだ。勝手に長崎ワードに私が食いついただけなのだ(笑)
さてさて、4月9日、長崎から車で来られたのには驚いた。しかも作業服で(笑)
綾部さんは、長崎県南島原市加津佐町で綾部畜産(花房牧場)という経産牛専門の牛飼いさんだ。花房和牛というブランド名をつけて販売もしているのだが、自分ちの肉しか食べたことがないので、これが本当においしいのかどうかが分からない、つまり比較しようがないので第三者の私に試食して率直な感想を聞かせてほしいというのがはじまりだった。
試食した感想は、お世辞なくおいしかった。だから感想に困ったのだ。おいしくなければ、理由をあれこれ言えるのだが、おいしい肉の感想はおいしいしか表現のしようがない。
飼育方法を聞けば、豆腐粕を使った配合飼料を自家配合していたり、配合飼料のトウモロコシや大麦などは、輸入穀物に頼りっきりではなく半分程度を長崎県内の豆腐工場からでる豆腐粕を利用したり、近所の精米所からでる米ぬかや九州産の麦などを利用しているそうだ。また粗飼料(稲ワラや牧草など)は100%地元産ということだ。
経産牛といっても再肥育しているため、若干のサシが入るのだが、肥育バリバリのサシではないので、非常にあっさりしている。ストレスフリーで食べられるのでデザートまでいっちゃうのが困りものだが。
オーブンでじっくり火入れするのも、それはそれでおいしいのだが、やっぱリスキレットで揚げるように焼くセヴェロ風は別格のおいしさだ。
さて、綾部さんの経産牛は試食して感想を伝えて終わったわけではなく、まだ続くのだ。
今度は、ドライエージングできないかと相談されたのだが、私も興味があったので引き受けることにした。長崎から福岡の屠畜場を経て、うちの熟成庫へ入ったのが4月15日のことだった。
おばあちゃん牛なので、それはそれは小さな骨付きロースだった。50日をメドにエージングしていたので本来なら明日から販売なのだが、待ちきれないのかご本人から注文があったので一足先に本日出荷させてもらった。仕上がりは完璧。あとは味なのだが、おそらく抜群においしいと思う。私もまだ試食していないのでいい加減なことは言えないのだが、今夜あたり楽しみたいと思う。
分厚く見えますが、小さな牛さんなのでこれで300gです。
ちなみに、私が今晩食べる分です。
サイトで販売を予定してたのですが、リブ、サーロインで10kgにも満たないので綾部さんと私の分をとって残り2kgしかないのです。写真撮ってカゴくっつけて販売するほどでもないので、メッセージいただければ代引きでお送りします。
幻の肉とか希少な肉とか、巷ではこのようなキャッコピーが溢れていますが、本来はこういう肉のことを言うんですよね。
【完売御礼】
綾部さんの花房和牛@経産牛熟成肉は、おかげさまで完売いたしました。
その後もたくさんのお問い合わせを頂戴しておりますが、今後の予定もありませんのでまさしく幻の肉ということでご理解いただけましたら幸いです。
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