A3の近江牛サーロイン VS C1の経産牛サーロイン
公開日:
:
2013/06/02
イベント

池袋のワインバー、エスペルトで『新井 治彦さんとのコラボ「最高の熟成肉 & 最高のスペインワイン in Espelt 」』が無事終わりました。
店内は満席で、久しぶりな方から初めてお会いする方まで、参加者は食に関する感度が高い方ばかりなのですごく楽しくて、新潟や神戸からもご参加いただいてとってもうれしかったです。
この日のために用意した肉は2種類のサーロイン。A3ランクの近江牛サーロイン(写真手前)とC1ランクの経産牛サーロイン(写真奥)です。
写真がブレていますが、ナマの状態はこんな感じ(写真はすべて新井治彦さんから拝借)


どっちがどっちかは言わなくても分かると思いますが、上の写真の肉はこれでA3ですよ。格付けした人おかしいんじゃない、って思うほどサシが入っています。この牛は骨も細くて脂も少なかったのでA4でも問題なかったかと思います。ただ、ロースの断面がイマイチだったのでA3に落とされたと思われます。
一方、経産牛のサーロインは、いかにもといった肉質でA5マニアな牛肉関係者にとってはフンてなものでしょう。
経産牛は再肥育しているので、若干は肉質が柔らかくはなっていましたが、それでもこの時点で食べ比べると、硬くて顎が疲れる肉であることは間違いありません。
さて、50日間ドライエージングした経産牛はA3のサーロインに勝てるのか?!
とまぁ、勝負しているわけではないのだが、食べ比べてこそ双方の違いや価値が分かると言うもの。私が最初に説明させていただいたのは、まずはそのまま食べてください。次に2~3噛みしてからワインで流してください。というもの。
まず、鼻を近づけると焼かれた状態ですでに香がまったく違っていました。A3のサーロインは肉らしい香がし、経産牛は熟成香が結構強かったです。このあたりは火入れがうまくいった証拠です。事前の打ち合わせで予行演習したかいがありました。熟成香が嫌だと言う方もいるのですが、今回の参加者はみなさん気にいっていただけたようです。
さて、食べ比べの結論からいうと、私がお聞きした方(全員には聞いていませんが)すべて経産牛熟成肉が断トツにうまいとの感想でした。
おそらくそういう結果になるだろうと思ってはいたのですが、これほどまでとは予想していませんでした。あと、熟成肉は冷めてもおいしいとの感想もありました。合わせるワインは赤じゃなく白でもおいしいとの声も。
もし、この日にA3ではなくA5を用意していたなら、食べ残した方もたくさんいただろうなと、そんなことを思いながら、いつも以上にワインを飲み、肉を食べ、それでも翌日はいつもの時間に起床し、体は軽く頭はスッキリ、やっぱり肉はすごいなと思うわけです。そして新井治彦さんが選ぶワインもこれまたすばらしくて、またぜったいやりますので今回参加されなかった方はぜひ次回ご参加ください。
それにしても、サシがビッシリ入ったA5が一番うまい、と言ってる業界の方って、本当にそう思っているのだろうか。好みは人それぞれだが、それでもそれが本音だったらすごいなぁと思ってしまう。1~2枚をすき焼きで食べるにはすごくうまいのだが、4~5枚も食べると食後の膨張感で眠れなくなってしまう。無性にランニングしたい衝動にかられる。
さて、熟成肉の在庫がほとんどなくなってきております。近江牛熟成肉があと少し、鹿児島県産の経産牛熟成肉は売り切れで次の仕上がりは今月末です。う~ん、どうしようか、売るものがなくなりました。いますぐ出せる熟成肉は、近江牛以外では経産牛の熟成モモ肉が少しありますので、明日からこちらを販売したいと思います。よろしかったらスキレットでじっくり焼いてください。ガシガシした肉質ですがおいしいですよ。
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