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肉Meets × セトレマリーナびわ湖 in 生産者トークライブ

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今日の滋賀は30度を超えた常夏状態で外仕事も汗が激しくとまらない。さすがに耐えられずに事務所へ避難してPCの電源を入れると西川奈緒子さんからジビーフ便りが送られてきた。なんとも涼しげなジビーフたちの姿ではないか。

西川奈緒子さんから聞く話は、常日頃目にする肉牛飼育の光景とはあまりにも違いすぎて驚くことが多すぎるのですが、ジビーフが木陰で涼んだり、草を食べにお日様の下に出て行ったり、痒いところを木の枝で掻いたり、川に入って美味しそうに天然の水を飲んだり、まさに自然と同化した牛の姿がそこかしこで見ることができます。

生産者の西川奈緒子さんは写真が趣味でもカメラが上手なわけでもありません。おそらくスマートフォンで撮った写真だと思うのですが、それにしても絵になります。

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西川奈緒子さん曰く、ジビーフたちはいずれ食肉なる運命です。しかし、限られた命だからこそ、その姿かたちで生まれて来た本能のままに生きてほしいと願って林間放牧にチャレンジしたそうなのです。

牛飼い(牛を飼っている人を私たちは牛飼いと呼びます)の思いは様々です。ビジネスと割り切って一切の情をかけずにたんたんと日々の作業をこなす人もいれば、愛おしく話しかけながらエサをやる人もいます。

愛情のかけ方は人それぞれですが、西川奈緒子さんは「牛が牛らしく、お肉になるその時まで、本物の牛であり続けて欲しい」と願っているのです。

命を捧げてくれた牛たちだからこそ肉のひとかけらも残さずに食べることが牛への感謝であり供養でもある。・・・ このようなことを言うと、必ず反論めいたことを言う人がいます。牛はそんなことを望んでいるのか、とか、それは自己満足だろ、とか。

感じ方なので人それぞれでいいと思うのです。ただ、私たちの想いは主張しなければ伝わらないし、そのうえで共鳴してくれる人たちが輪に加わってくれればそれでいいと思うのです。

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私は野球にはまったく興味がないのですが、人間としてのイチロー選手の考え方にすごく共鳴する部分があります。もちろん彼のプロとしてのストイックさも好きですが、いつだったかテレビでこんなことを言っていました。(焼肉屋でイチロー選手は肉を1枚づつしか焼かないそうですがそのことに対して)

「この肉を焦がして食べたら供養ができない、牛がそのために犠牲になるわけです。そのときになにがいちばん供養になるかと一番美味しく食べることが供養になるんじゃないかと思うわけです」

私が言うのとでは重みが違う(笑)

私は、仔牛が産まれたときから約30か月で出荷されるまで見続け、それから屠畜して枝肉になり骨を抜いて、すき焼き用やステーキ用として精肉にする全行程に関わっています。だからこそ肉のひとかけらも無駄にしたくないという思いが強いのだと思うのです。問屋から真空パックの塊肉を仕入れただけの肉仕事ならこんなふうには思わなかっただろうな・・・。

その思いは懇意にしているシェフたちも同じで、休みの日は産地を回ったり、疑問があればすぐに電話してきて質問攻めにされたり、とにかく食材を知ることを限りなく追及するのです。6月17日からジビーフツアーに参加するシェフたちもまた志高く、3日間も店を休んで北海道へ行くのですから熱いですね。

話しが飛びますが、私はホテルで宿泊するのは非日常的で好きなのですが、ホテルで食事することはまずありません。理由はですね、皿にお金の匂いがするからなのです。目を閉じても私の頭の中は数字で支配されます。一方、産地を回って食材集めをしているシェフの皿からは温かさを感じます。目を閉じればシェフが説明してくれる食材の産地が浮かびます。この違いって大きいですよね。おいしさってこういうことも味の一部だと思うのです。素材がよくてもシェフの腕がよくても100にはなりません。すべてが重なり合って100になり食べ手が満足するのだと思うのです。

13年前、厳密にいえばBSE以前ですがホテルへ牛肉をたくさん卸していました。しかし、いまのようにポリシーがあっての牛肉ではなくビジネスに徹した牛肉でした。いま思えばまったくおもしろくなかっですね。

どこのホテルも安さが一番で品質は二番でした。行きつく先は価格競争です。料理人は知識も中途半端で腕も一流とはお世辞にもいえないレベルでした。もちろんすべてのホテルがそうだとは言いませんし思ってもいません。ただ、現在引き合いのあるホテルの方と話していても、私が感じることは13年前となにひとつ変わってないように思うのです。私も肉のプロとしての自負があります。価格ありきではよい肉は仕入れられませんし、産地を知らない料理人が語る食材の話しってなんか薄っぺらいのです。

セトレマリーナ

昨年、滋賀の守山にセトレマリーナびわ湖というホテルが開業しました。オープンの1年前からお話しをいただいてまして、滋賀にこだわったホテルということでコンセプトは理解できるのですが、そういった内容のホテルや飲食店はいままでたくさんお話しをいただいてきました。しかしながら、やっぱり一緒なんです。私の目指すところとはかけ離れているのです。

しかし、セトレマリーナびわ湖のシェフは違っていました。シェフだけではなくスタッフもマネージャーも、そしてなによりも社長までも牧場に足を運び、生産者の話しに真剣に耳を傾け、そしてすぐに行動に移す機敏さは私が知る限りのホテルの常識を逸脱したものでした。

そして、10月15日(水)には、初のお泊り肉Meetsをセトレマリーナびわ湖にて開催することになりました。14室しかないため最大でも30名の集客となりますが、すでにホテル側と一緒に当日に向けて始動しています。

内容はこれから詰めていきますが、決定事項だけお伝えしますと、木下牧場さんの近江プレミアム牛をメインとしてワインはワイナリー和泉屋の新井治彦氏に担当していただきます。全館貸切のため24時間肉Meetsです(笑)
ご興味ある方は当店までお問い合わせください。077-563-7829

●日時:2014年10月15日(水) 18:00スタ
ート
●会場:セトレマリーナびわ湖
滋賀県守山市水保町 1380-1 ヤンマーマリーナ内
●会費: 35,000円(大人) 30,000円(未成年) 
※宿泊、ディナーとドリンク、朝食含む料金です。

 

 

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