ミートカレッジ「ギューテロワール」に集った素敵な人たち
あまり表に出ることがない藤井牧場さんご夫婦(左から奥さん、ご主人。右は日本海牧場の山崎さん)200頭の近江牛を繁殖から肥育まで一貫して行っているので、まず遠出できない。たまには温泉でもと農協の職員にエサやりをお願いしている生産者もいますが、藤井さんは内向的すぎるのか、頼みにくいのか、とにかくいつも牛と一緒です。
さて、昨日はきたやま南山にてミートカレッジ“ギューテロワール”の開校日でした。全国から生産者や流通者、料理人、食に関わる人たちが参加して大いに盛り上がったのでした。中身が濃すぎるので詳しくは後日書くとして、人前で話すことなど滅多にない藤井さんが、この日は自己紹介兼ねてお話ししてくれたのです。
それがすごく印象的で、夫婦喧嘩になる要因を排除したら牛が良くなったとのこと。これって科学的な根拠があるわけじゃないのですが、夫婦仲が良くないと肉質に影響するということなのです。小さな牧場で牛に寄り添っているからこその言葉であり、ここ数年の苦悩を知っている私としては感慨深いものがあったのです。
実際、問題を抱えているときは牛は良くなく、問題を排除してからどんどん牛が良くなっていったのです。生き物相手ですから、愛情を注げばしっかり応えてくれるんですね。私たちは、近江牛ならなんでもいいわけではなく、どこまでいっても人なんです。だれが育てているかを重要視しています。南山もサカエヤもそういう観点から牛を選び、その背景を大事にしています。食の原点とはそういうことだと思うのです。だからこそ、ギューテロワールに参加してくださった人たちは、秩序と本質を理解し、そのおかげで素晴らしい場づくりになったのです。
関連記事
-
-
幸せな生き方をした牛はいい肉になる
ようやくジビーフの出荷が決まりました。GW前後のと畜が可能との連絡をいただきましたが、5月1
-
-
商品環境とシチロウを食す会
朝から立て続けに2本、ギフトで貰ったお肉がおいしかった、梱包が素晴らしくて感動したとお電話を
-
-
今年も一年ありがとうございました
例年通り31日まで仕事をさせていただき無事終わることができました。今年ほ
-
-
取引について僕の考え方
僕は「業者」という言葉が好きではありません。飲食店に牛肉を卸しているのだから、飲食店側か
-
-
生産者の視点、問屋の視点、肉屋の視点、そして久しぶりに大学で講演することになりました
久しぶりに某大学で講演させていただくことになりました。本業以外のことは気乗りしないのですが、