世の中はシンプルに、食の流通もシンプルに
公開日:
:
2013/11/05
雑記
昨夜は、先斗町の佐曽羅 EASTさんで近江プレミアム牛を堪能しながら今後の取り組みなどを話し合う機会を設けさせていただきました。近江プレミアム牛の生産者でもある木下牧場さんと来年5月から出荷が始まる藤井牧場さんの8名でおいしく楽しく未来へ向かってすばらしい話ができました。毎日牛さんと向き合っているので、たまには贅沢に身を任せるのもいいものです。
戦略的な話は一切なく、おいしい肉をつくりたい。集まった生産者の願いはただそれだけなのです。もちろん戦略の本質でもある「違いをつくって、つなげる」というところは私の役割です。
改めて木下さんの話を伺うと、いかに国産だけの飼料で家畜を育てるということが、困難なことなのかが理解できました。今年は入手できても来年はどうなるか分からない。そんな飼料もたくさんあるわけです。そうなるとまた振りだしに戻り、飼料探しから始めなければなりません。でも、それもまた楽しいのです。
顧客ターゲットは自分たちであり、子供たちなのです。だから困難も楽しめるのです。昨夜は、お店のご厚意もあり、1歳8ヶ月のラナちゃんも先斗町デビューです。おいしそうに近江プレミアム牛を食べる姿を見ていると、ここ最近の偽装問題とは別世界です。
生産者がいて、肉を捌いた私がいて、その肉を目の前で調理してくれる料理人がいる。そりゃうまいですよ。ラナちゃんの食いっぷりも尋常じゃないくらいでしたから。
佐曽羅 EASTさんのオーナーやシェフ、ホールスタッフもまた私たちと一緒に取り組んでおられます。今回の近江プレミア牛も通常価格より高く買っていただきました。
なぜ格付けがA2なのにA5より高いのか、、、ということをすごく理解してくれているからけっして高くないのです。それは、佐曽羅 EASTさんのオーナーはじめ、アルバイトも含むスタッフ全員が木下牧場さんでしっかりと現場研修しているから、つまり最低限のモノを売るための教育ができているからなのです。
外食して、運ばれてくる料理をいったどれくらいの人がちゃんと説明できるだろうか。
ちょっと待ってください、いま聞いてきますから…
私はこの時点でおいしさ半減です。
私が小学生の頃、車で10分くらい走ったところに、どさんこラーメンというラーメン店ができました。月に1回、父親の運転で連れて行ってもらうのが楽しみでした。
高校生の頃、部活の帰りは餃子の王将で腹いっぱい食べるのが楽しみでした。とにかくお腹が満たされれば満足でした。いま思えば、それがうまかったのかマズかったのか思い出せません。
いつの頃からか、店も多くなり、世間では店を評価をするようになりました。現在は頭で考える時代と言われているように、どこのだれが育てたものなのかが安全の基準になっています。
しかし、それらを逆手にとって繁盛させている店もあります。私が思うには最後は人と人とのふれあいであり、信頼できるものを信頼できる相手から買うということが一番安全なのです。
信頼できる相手がすすめてくれた店から買う、信頼できる相手がすすめてくれたホテルに泊まる、信頼できる相手がすすめてくれたレストランで食事する。
単純なことなんだけどね。
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