完全放牧のアンガス牛、まずはサルティンボッカの木村シェフが挑戦
公開日:
:
2013/08/18
雑記

サルティンボッカの木村シェフが作った放牧アンガス牛のチマキ(スネ肉)のローストビーフは、笑っちゃうくらいおいしかった。放牧アンガス牛に関しては(→)
すき焼きやしゃぶしゃぶ、鉄板焼きにサシの多い肉を使うことは多い。しかし、フレンチやイタリアンの料理人が探している肉は、赤身で価格の安定したものではないだろうか。となると、日本ではホルスタインの若牛あたりになってしまう。私なんかは経産牛をおすすめしているのだが、それでも絶対数が少ないので安定性はない。褐毛和種(土佐あかうし、熊本あか牛)も同様で出荷数が安定していない。
ということで、オーストラリア産やアメリカ産のアンガス牛を使っている料理人が多いと思うのだが、ここにきて米国産の輸入条件の緩和、フランス産やオランダ産の条件付きではあるが輸入再開など、選べる幅が広がってきた。
料理人が肉を選ぶポイントは、自身が作る料理にマッチすることを前提とするならば、産地であり、品質であり、味であり、価格もそうかも知れない。
若い料理人にどこで修行しましたか、と聞くとフランスやイタリアなどでヨーロッパで修行経験した人が多い。うらやましい限りだ。現地で使っていた肉が日本で手に入るとなれば当然仕入れるだろう。サシが多い肉にみられる「とろける」食感ではなく、噛みしめたときの「うまみ」を感じるには赤身肉が適している。
先日、あるレストランで食べたフランス産のシャロレー牛がおいしかった。しかし、産地や赤身肉のおいしさは食べて納得できたが、どんな人が育てたのかとか、環境とか、ついつい気になってしまった。別にどうでもいいことなのかも知れないし、そんなことをいちいち気にしていたら外食なんてできない。これはあくまでも私の「視点」なので多くの人には当てはまらないと思う。
ただ、日本にもヨーロッパの牛に負けない、いや、それ以上の赤身肉があることを知ってほしい。北海道の様似町に自然放牧で野生のアンガス牛を飼っている(という表現が正しいのか?)西川さんという方がいる。詳しくはこちらをご覧いただくとして(→)
サシが入ったとろける肉は、いまや百貨店でも肉屋でもスーパーでも手に入る。味はべつとしてだが。でも、本当においしい赤身肉はそうそうないのだ。私も木下さんや藤井さんと近江牛のおいしい赤身肉を追い求めて飼料をすべて国産にしたり、放牧を取り入れたりと試行錯誤しているのだが、完全放牧となるとまた話は別である。
安定供給という問題点はあるが、需要が多くなれば近い将来解決する問題なのかも知れない。ただ、こういった牛の肉を料理することに喜びを感じるような料理人が、ここ最近、私の周りに増えてきたことはとってもうれしく明るい兆しではないだろうか。
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