牛肉は手間ひまかけた分だけおいしくなる
公開日:
:
2013/06/16
雑記

昨日は神戸牛の勉強会(食肉塾)へお招きいただき、熟成肉についてお話しさせていただきました(写真は懇親会でいただいたサガリの・・・えーっと、なんだったかな、忘れました)
今回は、木下牧場のたかちゃん(娘婿)を連れて行ったのだが、23歳の若き生産者にどう映ったのか興味深いところだ。そもそも生産者は牛を育てて出荷したら仕事は終わりで、流通業者や肉屋などの販売者に会うことはないのだ。逆をいえば肉屋も生産者に会うことはない。だらか「生産者の顔」を謳った商売は疑問だらけなのだ。
たかちゃんにとっては県内の販売者に会うことも少ないのに、ましてや他県の、それも神戸牛の販売者に会う機会なんて滅多にないことだ。道中、かなり緊張しているようだったので少し足を延ばして親交のある神戸牛辰屋さんを訪ねることに。

辰巳さん(右)と李さん(左)のやさしさに触れてたかちゃんの緊張もかなり緩和されたようだった。
さて、講演ではいつも話していることを淡々としゃべるだけなのだが、初めて聞くたかちゃんにとっては新鮮であり衝撃だったようだ。と同時に、他県の同業者に対しても堂々と私たちの取り組みを語る様子を見て、かなり自信を持ってくれたようだった。
というのも、和牛はサシをいれてなんぼの世界、それが当たり前のように受け継がれている。しかし私が要求しているのはサシを入れるな、牛を大きくするな、輸入のエサを使うなと、生産者にとってはかなり窮屈な飼育方法なのだ。もちろん、たかちゃんをはじめ木下牧場では理解しているからこそストレスフリーな牛飼いができているわけなのだが、生産者仲間からの反発は相当なものらしい。
だからこそ、たかちゃんには販売者の声を直に聞いてほしかったし、そして感じてほしいのだ。そして消費者の方には「銘柄だけを信じないでほしい」と言いたい。
飼育環境、飼料、水、生態系まで考えて牛を飼わなければ本当の意味での「おいしさ」なんて追求できないと思う。私は直接牛を飼っているいるわけではないので、木下さんに委託している。だらかこそ、口やかましく私を含めた消費者の声を伝え続けるのだ。
なぜそこまでするのか、理由なんて簡単で、手間ひまかけた分だけおいしくなるからだ。
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