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新しい流通を創りたい、いろんな想いを秘めて動き出します

公開日: : 2013/05/26 雑記

2007年にロンドンから創刊されたMONOCLE

2007年にロンドンから創刊されたMONOCLE


4年前の記事だがもう一度編集しなおして再販されるそうだ。いつだったかNHKがオーストラリアでWAGYUがブームだという内容のことを放送していた。そして今日届いた業界紙には米国の料理番組が神戸ビーフのおいしさの秘密を探るということで、牧場を取材したり、またフランスの映画監督が世界中の牛肉の産地を訪ね歩くという長編ドキュメンタリー映画を撮影する一環で、日本の畜産業の撮影、取材をするという内容のことが書かれていた。

海外で和牛と言えばなんでもかんでも神戸ビーフだそうで、偽物もたくさ出回っているということを聞きます。そりゃそうでしょう、本物の神戸ビーフがそんなにたくさん海外で食べられるわけないのですから。そんなこともあり、こうやって海外メディアに取り上げられることで神戸ビーフたるものが海の向こうでちゃんとした形で伝わればすばらしいと思います。

近年、和牛の輸出が盛んに行われていますが、近江牛もしかりで海外に向けて県をあげてバックアップしています。こんな私にも輸出業者から声がかかるのですが正直あまり興味もないし関心もないのが本音です。

私がいままで取り組んできたこと、これから取り組もうとしていることは、海外向けではなく国内であり、地域であり、身近な人たちなのです。もちろん、MONOCLEのように海外メディアで紹介されることはありがたいし、海外に住む日本人にも知ってもらえる機会になるかも知れないので取材は大歓迎です。

しかし、海外輸出はやっぱり興味がわかない。新聞などで今年は120頭(仮)どこどこの国へ輸出しました。なんて記事が書かれているが実際は少し違って(怒られるかも知れないので先にあやまっておきます。すいません)、輸出といっても枝肉一頭買ってもらえるわけではなくて、ロースやヒレなど需要が高い部位のみ。だから正確には120頭の枝肉から、ロースとヒレをどこどこの国へ輸出しました。と報道するべきなのだ。

じゃー残った部位はどうするの?ってことになるのだが、もちろん国内消費なのだ。だから輸出は資本力のある企業にお任せして当店のような小さな会社では1回や2回の取引ならいざ知らずサスティナブルに進化することはできないのだ。1頭まるごと買い取ってくれるのなら私も真剣に輸出事業に進出するかも知れないが(笑)

それよりも、私がいま取り組もうとしていることは(すでに取り組んでいるが)真面目に牛を育て、消費者と正面から向き合っている生産者を盛り立て、まったく新しい流通システムを創ることに尽力したい。

つまりこういうことだ。食への危機感が叫ばれているのはみなさんご存じだと思う。かと言って日常生活でどうしても避けては通れないこともある。知らず知らずに口に入れてしまう危険なものもあるだろう。だからこそ、せめて私の友人知人、そして当店のお客様には今後も安心できるものをお届けしたい。

例えば、昨年7月に初めて出荷した自家産粗飼料と地元でとれた飼料のみで育てた但馬系近江牛。出来上がりに関係なく(A2でもA5でも)私が生産者から引き取る価格は、かなり高いのです。輸入の飼料を一切使わない分、割高になります。ただ、飼料1つ1つの生産元が明確であり安心なのです。飼料も牛を育てた人も販売した人も消費する人も、みんなの顔が見えてつながっているのです。

これは、和牛では不可能と言われた国産飼料、しかも地元産だけにこだわった飼料で育てた、かなりリスクのある取り組みでした。結果オーライでしたが今年の10月から順次出荷する牛はどのような仕上がりになるのかわかりません。

粗飼料中心で育てているため、通常の穀物肥育と比べて含まれるカロリーやタンパク質の量が異なります。ということは、増体効率などは明らかに劣るわけです。500kg前後、いや最近の近江牛は枝重600kgも珍しくないので、私が予想する350kg前後と考えるとおよそ半分です。

さらに、穀物肥育に比べて給与できるカロリーが少ないことから、余剰カロリーの蓄積である「サシ」の量も多くは望めません。赤身が強くなるということです。もちろん、サシを入れるためにビタミンコントロールもやらないので、もしかすると輸入牛肉のグラスレベルの真赤な肉になるかも知れません。

プレミア近江牛


昨年は、きたやま南山さんでイベントを組んでいただき、それはそれは盛況でした。メディアの方々も多数お越しいただいたので、飲食店からの問い合わせも多くありました。しかし、このときは実験的に2頭だけ育てていたので後が続かず・・・。

10月以降は定期的に出荷していく予定ですが、かなり割高になることは確実です。育てるほうも仕入れるほうも消費するほうも、通常の牛肉よりも2~3割程度は高くなります。それでも私は世に出す価値はあると思っていますので、現在この取り組みに共感していただいているレストランのオーナーやシェフの皆さんと共に新しい流通を創っていきたいと思っています。

イメージとしては、1頭の牛をすべて仕入れることはできなくても、共感してくれるレストランのシェフたちに各々料理できる部位を引き取ってもらって、1頭すべてを使いこなせば持続可能な取り組みになると思うのです。

当然そこには、当店のお客様にも参加していただき、より安心して食べていただける牛肉を提供させていただきたいと考えています。

【きたやま南山 楠本さんからのメッセージ】
7月に、アルケッチャーノの奥田シェフが巻き起こした奇跡のドキュメンタリー映画「よみがえりのレシピ」上映会と一緒に、新保さんの夢を語ってもらいます。昔ながらの近江牛を復活させた取り組みを、ひとりでもたくさんの人と支えていくことができるよう、でっかい夢を語りましょうぞ!!

 

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