茂野シェフの熟成肉の扱い方、火入れはすばらしかった!
熟成肉を焼く時は、熱したフライパンに肉を入れ、両面焦げ目がついてからオーブンで30、40分火入れをするのだが、フライパンでやるとどうなるのか・・・
昨日、お世話になっているワイン屋さんが、これまたお世話になっているワインバーでイベントをするというので出かけてきた。
当日、参加者をおもてなしする顔ぶれがすごくて、特に料理を担当したシェフ茂野さんは、パリの有名レストランで7年間肉場を担当して、帰国後、料理の業界ではだれもが知ってる東京の名店で3年間、料理長を務めた凄腕だ。
どんな強面かとお会いするのを楽しみにしていたのだが、イケメンでしかも低姿勢なので拍子抜けしてしまった。
しかし、話してみるとかなり肉に詳しくて、パリでは枝肉で仕入れていたため捌き(骨抜き)もできるというのだ。知識も豊富で熟成肉の扱い方も熟知している。
こうなると私はワインどころではなく、調理場に入り浸り、料理の邪魔を承知で肉の話で盛り上がり、2月に京都でオープンするお店についても伺うことができた。
料理や肉に対する想いというか共感する部分が多く、たとえば、フレンチでもイタリアンでもコースでパーフェクトに近い料理がでてきても、メインの肉でガッカリすることが多い、ということや、すばらしい腕を持ったシェフがいる店でも、もう少しまともな肉を仕入れればいいのに、といったことまで、じつに私と思うところが似ているのだ。
事前に、茂野さんのことを聞いていたので、私は近江牛のランプと熟成肉を5.0kg程度持ち込ませていただき、どうやって火入れするのかをじっくり拝見することにした。
まずは、香を確認し熟成肉特有のナッツ香とドライエージングの状態の良さに驚かれていた。
ドレスコードが帽子ということで、きたやま南山の楠本さんが牛の被り物で参加されていたのには驚いた。さすがというか度胸があるというか小心者の私にはできない行動力に今年も勉強させられることが多そうだ。(↑写真は調理場に被り物で乱入した楠本さんが撮った1枚、茂野さんを見るなり、イケメンやん!と急に女性になられたのにも驚いた)
さて、熟成肉は、高温で一気に焼き上げたほうが良いとのことで、冷たいままの肉をフライパンにのせ、焦げ目がつかないように肉を一旦浮かせていた。
軽く焼き目がつくまでフライパンを時々揺すりながら両面に火を入れていく。
火が入りすぎないようにフライパンから取り出した肉を、3、4分おいて余熱で肉汁を温める。
再びフライパンを火にかけ肉を戻し、鍋肌を移動させながら表面を温める。
焼き上がりは、焼きすぎじゃないのと思ったのだが、これがバッチリで、表面がカリッと仕上がっていて中はローズ色で柔らかく、2層の味が楽しめる感じだった。
2月オープンのお店で熟成肉を扱っていただけるとのこと、また京都へ出かける楽しみが1つ増えた。
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