熟成肉こそ原点回帰
公開日:
:
2011/10/07
熟成肉

昔は家ですき焼きをやると、隣まで肉の香りが伝わってきたが
今はそんな風情もなく寂しい限りや。
住宅事情もあるやろうが、肉も見栄えばっかり良くなってしもて
肝心の味がスカスカのもんばっかりや。
こう嘆くのは年配の常連さんだ。
真空パックにした部位別のブロック肉が流通し始めてから
枝肉で買い付ける肉屋が年々減っていった。
同時に、捌き(脱骨作業)ができる職人も激減し
街の肉屋で大きな肉の塊(枝肉)が吊るされている光景をみることも少なくなった。
私が修業していた30年ぐらい前は、
どこの肉屋も枝肉が主流で、大きな冷蔵庫にはたえず枝肉が保管されていた。
長期保管になると、肉の表面や脂が黒ずんで硬くなり
スライスしても黒ズミができてしまう。
いまなら黒ズミはきれいに取り除かないとクレームの原因になるが
当時は、そのまま商品化してもノンクレームだった。
それより、年配の常連さんなんかは、赤々とした肉よりも
多少黒いほうが肉らしくてうまい、なんて声も少なくない。
熟成肉が密かにブームになりつつあるが、
結局はなにも新しい技法ではなく、昔のやり方を再現しているだけなのだ。
写真は見たままのカレーライスだが、熟成肉の端材で作ってみた。
香辛料に負けないぐらいの熟成香が漂っていた。
いつもは1杯しか食べないカレーライスだが、
あまりにもうますぎて2杯も食べてしまった。
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