ホルスタインLボーン30日熟成販売開始
公開日:
:
2014/08/15
熟成肉
BSE検査の規制緩和から今後は輸入牛の骨付きをレストランで見かけることが多くなると思います。たまに近江牛の骨付きロースをTボーンでやることがあるのですが、間接で切り落とすと1つの塊が1.0kg以上にもなり、焼くほうも大変だが食べるほうも体力がいるのです。もちろん1人では食べきれないので、グループでシェアしたほうが楽しい。
ただ、一般家庭でも食べて欲しいのでもっと小さくてリーズナブルな骨付きロースはできないものかと試行錯誤した結果、ようやく納得できるレベルまで持っていくことができました。
和牛ではひとつの塊が大きくなりすぎるのと価格が高くなるので気軽に食べてもらうことができません。となるとF1(交雑種)かホルスタインしか思いつかないのだが、あれやこれやでなんとかホルスタインに落ち着きました。
個人的にホルスタインはどうしても乳臭いので今まで積極的に食べることはなかったのですが、北海道で若い生産者ががんばっている姿を見てから、すこし考えを改めようとあえて取り組んでみたのです。とはいっても苦手なものは苦手で、わざわざ乳臭い肉を食べるメリットが感じられませんでした。価格的なことだけを考えればホルスタインでもいいのですが、おいしくないと継続はむつかしく、私のやる気も失速していきます。
私が臭いに敏感なだけかもしれませんがどうしても気になるので、試験的に熟成庫へ20日間入れてみたところ、なぜか乳臭さが消えていました。たまたまなのかも知れないので何度か試してみたのですが結果は同じ。完全に乳臭さは消えていました。しかもかなりおいしいのです。不思議な現象ですがこれで納得して販売できます。あとは味の問題ですが、多くはレストラン需要となるので、まずはLe14e(ル・キャトーズィエム)の茂野シェフに実際に焼いてもらって感想を聞くことにしました。
骨の周りは火の通りが遅いので、こまめに油を回していきます。まるで肉がフライパンの中で泳いでいるような優雅さです。茂野シェフの火入れは簡単そうにに見えるのですが、じつは肉の知識が相当ないとうまくできないのです。そして枚数を焼くことに尽きます。
結論から言うと、かなりうまかったです。ただ、同席したLe14eのスタッフ(女子)は肉が硬いとの感想だったので(私と茂野シェフはちょうどよかったのですが)試験的に熟成期間を20日から30日に延ばしてみました。女性の感想は大事ですからね。
ロース&ヒレのTボーンだと目方が大きくなりすぎるので、ロースのみのLボーンで30日熟成させることに。1か月後に仕上がった肉を今度はイルジョットの高橋シェフに試してもらいました。思っていた以上にかなりの好感触で、さらにその場にいた友人から「ホルスのLボーン30日熟成ヤバイよ!」とメッセージがきたので、販売しても問題ないレベルに仕上がっていることを確信した次第なのです。
その後も、何度か自分で試し焼きしながら厚みを調整し5㎝に決定。3㎝だと骨を中心に肉が反り返り、7㎝だと分厚すぎて火が入れにく。最終的に5㎝に落ち着いたのです。火入れに時間はかかるものの十分満足していただける大きさだ数名の方に食べてもらって実証済みです。
できれば滋賀県内の生産者から買い付けたいのですが、よくよく考えれば滋賀にこだわる必要性も感じないので、北海道をはじめとする県外の生産者から選りすぐったホルスタインを仕入れておいしく仕上げていきたいと思います。
真空した上に産地と個体番号を貼り付けて出来上がり。1枚750g~800gで3750円で販売です。業務用のみの販売を考えていましたが、最近は料理好きな方も増えてきましたので、1枚からでもご購入いただけます(→)
関連記事
-
-
熟成肉の販売を再開しました!
6月中旬より欠品しておりました、ドライエージングによる近江牛熟成肉が 本日仕上がりましたの
-
-
藤井牧場さんの経産牛は驚愕のおいしさだった
藤井牧場さんのお母さん牛(154ヶ月齢の経産牛)のリブとサーロインはル・キャトーズイエムへ嫁
-
-
近江プレミアム牛の「枝枯らし」は伸びのある肉質と長く続く余韻が特徴です
友人に誘われて外食することが多い今日この頃。行き先はほぼ100%友人の知り合いがいるレストラ
-
-
大分県産の経産牛を熟成させました
今号の「料理通信」はかなりおもしろいことになっている。知り合いのシェフが多く掲載されていて、
-
-
テレビの影響で熟成肉が売り切れるかも
2日前から熟成肉が異常な売れ行きで問い合わせも普段の倍以上だ。 こういうときは決まって