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ホルスの熟成Tボーンと偽装に関する話しを少しだけ

公開日: : 2014/08/16 熟成肉, メディア

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昨日販売開始したホルスタインのLボーン30日熟成ですが、あっという間に売り切れてしまいました。その後もお問い合わせをいただきましたが、まだしっかり熟成できていないものばかりで、来週あたりの仕上がりを待って再販したいと思います。20日熟成なら出せるんですが、30日熟成と比較するとたった10日ですが肉質が違うんですよね。ということでもう少しお待ちください。

もともとはレストラン用なので5㎝は結構厚くて、一般の方が本当に焼けるのか?… 何度も実験は繰り返したものの少し心配になって昨夜は疲れた体に鞭打って深夜の肉焼きレッスンやりました。うちのお客様はプロレベルな方が多くて、なかには肉焼きが趣味だという猛者もおられるくらいです。そういうこともあって今後は難易度の高いものを販売して行こうかなと思っています。

さて、深夜に肉を焼く光景は見ようによっては不気味ですが、肉をおいしく食べるためならなんてことはなく、まずはフライパンに肉の半分くらいまで油を入れて揚げ焼きにします。旨味をしっかり閉じ込めたあとは、オーブンで15分程度火を入れて完成です。

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骨を入れて800gありましたが、1人で食べきりました。赤身が強くて味が淡白なので1.0kgでも食べられたと思います。霜降り肉のように胃もたれすることもなく食後に苦しむ(笑)ことも後悔することもありませんでした。

ただ、味に変化がないので1人でこれだけの量は食べ飽きます。できれば2~3人でシェアしながら他の肉と組み合わせたいところです。

さて、昨日は読売テレビのかんさい情報ネットTENで「“赤身肉”人気のカラクリ」というコーナーに出演させていただきました。「今、脂身の少ない「赤身の牛肉」が、注目を集め人気となっています。なぜ…霜降りではなく「赤身」なのか?そのカラクリを解明します!!」という紹介からコーナーがはじまったのですが、木曽路の偽装問題で内容が短縮されていたように感じました。それでも近江プレミアム牛の取り組みをしっかり放映していただいたのでありがたいことです。贅沢言ってはいけませんね。

木曽路の偽装問題に関して、消費者の方がインタビューに答えていたのですが、裏切られたとかもう店に行かないとか、番組のコメンテーターの方も「偽装は出尽くしたのでもうないと思っていた」などと言ったものばかり。

なにか事件や事故が表面化すると騒ぎ立て、しばらくするとなにもなかったかのように正常化するということをこの10数年間繰り返してきました。おそらくこれからも同じような繰り返しを私たちは見続けていくことでしょう。人間が食べることをやめない限り偽装はなくならないと思います。それが意図していないものであれ計画的なものであれ、なくなることはないでしょう。

安いものを悪者扱いするつもりはありませんが、安く作るにはそれなりの工夫が必要です。肉を通じて長年食に関する仕事に携わってきて強く感じることは、食に安さだけを追求することは命を削ることと同じだと思うのです。

昨日の番組では、近江プレミアム牛に与えている国産飼料も紹介していただきましたが、輸入飼料と比較しても倍以上の仕入れ値がするわけです。そして仕上がった肉は赤身が強くて市場価値が低い。それでは生産者が泣いてしまう。そこを料理人や消費者のみなさんに支えてもらっているからこそ、取り組みを継続していけるのです。

飼料にトレーサビリティをつけようと始めたのが10年以上も前になります。その間に、某ショッピングモールなんか見ると、わけのわからない安価な牛肉が飛ぶように売れてるわけです。これぜったいおかしいと疑いたくなる牛肉でさえ買う人がいるのです。

同じ土俵ではないにしろ、私たちがやっていることって結局は金にならない自己満足でしかないのかなと何度も思いましたし、生産者も巻き込んでしまって責任重大だなと。性格上、落ち込むことはないのですがそう思うこともしばしばありました。

しかし、昨日のような偽装のニュースを見る度に、うちのお客様の顔を思い出すのです。その方々のためにも、しっかりした肉を届け続けなければならない使命感に燃えるのです。商売は大きくするよりコンパクトに楽しむ方が私の性に合っているので、これからも好きな人と好きな肉を作って好きな人たちに販売していきたいと思います。

 

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