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熟成肉は飲食店のイノベーションになりつつある

公開日: : 2012/12/06 熟成肉 ,

左側が経産牛のモモ肉(正確にはイチボ)、中央が近江牛ヒレ、上がサーロインという豪華な
組み合わせ。 
ヒレ以外は 、ドライエージングさせた熟成肉なんです。本日東京へ向けて嫁いでいきました。

後を追いかけて私も上京するだが、じつは東京の友人宅で不定期に開催している肉好きが集うホームパーティー用の肉なのだ。

今回はそれぞれが持つポテンシャルを可能な限り引き出せた仕上がり具合なので、参加者に食べ比べていただいて率直な感想を聞こうというわけだ。

というのは建前で、友人たちと私の自慢の肉を食べながらわいわい騒ぎたいというのが本音だ。

ところで、この写真をFB(フェースブック)にアップしたら沖縄の知人からこんなコメントをいただいた。

「んーめちゃくちゃ美味しそ~ヨダレが垂れるースッゴイ霜降り!!」

沖縄では、石垣牛というブランド和牛が存在するが、日常は米国産牛肉が食卓や飲食店で提供されることが大半だ。恐らく赤身の多い牛肉を普段から見慣れていれば写真の牛肉は「スッゴイ霜降り」ということになるのだろう。

左側が経産牛のイチボ、中央がA2の近江牛ヒレ、上がA3の近江牛サーロイン

畜産関係者から見れば、なんちゅうしょぼい肉・・・
という声が聞こえてきそうだが、牛肉を生業にしている方から見れば経産牛だのA2だのは評価するに値しない、つまり値打ちのない肉なんです。

それをどうやったらおいしく食べることができるのかということを一生懸命考えた結果がドライエージングビーフ(熟成肉)なんです。

料理人であれば、火入れやソースでおいしく仕上げることもできるでしょうが、あいにく私は料理人ではないので、生の状態で最善を尽くすしかないわけです。

おかげさまで、格付けや見た目の鮮やかさを評価対象としない層に支持され、すでに来年1月のご予約もたくさんいただいています。

ご注文内容から推測すると、一般のお客さんより、どちらかといえばレストラン需要が多く、最初は試に200gから購入されて、そして500g、1kgへと少しずつ受け入れられている状況が垣間見れます。

当店のポジショニングは、お客さん(飲食店)の後ろにいるお客さんのお役立ち(喜んでいただくこと)であり、そのための肉屋でありたいと・・・

今朝、近江牛熟成肉をご購入いただいてお客さんから電話がかかってきて10分程度おはなししたのだが、まさしく飲食店(ステーキレストランの店長)の方だった。

常連の方におすすめでお出ししたらすごく喜んでくれて、その方のお友達にも食べさせてやりたいと2回目の注文をいただき、お友達も感動して、それなら違うお友達にも食べさせてやりたいという輪が広がり、来年から本格的にメニューに取り入れたいとありがたいお話を伺った。

そんなこともあって、当店のポジショニングについて考えたりしたのだった。

熟成肉は、飲食店(主にステーキハウス)におけるイノベーションになりつつあるが、設備環境の整っていない厨房ではドライエージングできないのが私の見解です。

温度、湿度、風の3大要素はぜったいで、いまある冷蔵庫を改良するだけでも300万とか400万の投資が必要となる。熟成と腐敗はまったく異なるのだが、それを見分けるにはある程度の経験(失敗を含む)と知識が必要だ。

大きな事故になる可能性もないわけではないので、ドライエージング(熟成肉)に興味のある方は、経験豊富なところにご相談されるのが望ましい。

 

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