*

コミュニティ

公開日: : 2023/09/16 雑記

>新保さん、きっと気にいると思うよ

と言われて誘われたレストラン。扉を開けると厨房が目に入った。シェフが僕の顔をみてニコッと微笑む。サービスの方が、緊張するわぁ〜、と言いながら出迎えてくれた。メニューはアラカルトのみ。ワインリストもない。

街中を歩いていると、あちこちにレストランがある。ふらっと入ることはないので、この店も誘われてなければ行くことはなかっただろう。どの料理もシンプルだけど、なにを食べてもおいしい。ワインは料理に合わせて数本持ってきてもらい、そこから選ぶスタイルのようだ。

レストランで僕がいつも思うことがある。それは、シェフが魅力的かどうかだ。「気にいると思うよ」という言葉通り、いや、それ以上だった。

12年目になるというこのレストラン。自宅から徒歩で行ける距離なのにまったく知らなかった。店の前は何度も通ったことがある。あとで思いだしたのだが、何年か前に、尊敬する摘み草の大将から「めっちゃおいしいレストランあるので、一緒に行きましょう」と誘われていたのです。僕の「行きたいレストラン」のメモ帳を開くと、まさにこの店だった。

なぜ、この店が広く認知されていないのか。流行ってないわけじゃなくて、僕が滞在している間も、問い合わせの電話はひっきりなしで、その都度、その日は満席で、、とお断りしていた。でも、予約困難店とかではなくて、ちょうどいいバランスでご近所の方に愛されているレストランといった感じなのです。

けっして有名店になりたいわけではなく、自分たちのペースで、モードに流されることなく、ここまでやってきたのだろう。それは、店側だけではなく、お客さんも心得ていて、おそらく、コロナ禍でも困ることなく営業できていたんじゃないかな。こういう店は、小さなコミュニティができていて強いですね。

飲食店の大半はお客さんを選べません。なので望まない客が来ることもあるでしょう。でも、ここはきっと素敵なお客さんたちが、店を作っているのでしょうね。

記事が気に入ったらシェアをしてね

  • twitter
  • facebook
  • google+
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

柔らかいだけが高級な肉じゃないということ

いままでまったく興味がなかったホルスタインの肉ですが、骨付きLボーンでおいしくなるコツみたい

記事を読む

肉は生産者や餌、血統も大事だがもっとも重要なのは保存

放牧牛2種。 8/24屠畜のジビーフ(たいち)と8/27屠畜ブラウンスイス牛(ビガー)

記事を読む

霜降り肉と赤身肉の評価が同等になる日

フランスやスコットランド、イタリアでは赤身肉の評価が高い。 アメリカでも霜降り肉は珍重

記事を読む

新しい流通を創りたい、いろんな想いを秘めて動き出します

2007年にロンドンから創刊されたMONOCLE[/caption] 4年前の記事だがも

記事を読む

お腹を満たす時代から舌で楽しむ時代、そして頭で楽しむ時代へ

写真はサルティンボッカで焼いてもらったリブロースの熟成肉だ。 サーロインと違ってカブリのと

記事を読む

和牛・牛肉通販 近江牛.com

https://www.omi-gyu.com
仕事の奥深さ

本日から11月、しかし一年あっという間でなんか怖いですね。同級生ですで

所作

写真は、昨夜、BRUSTAで食べた近江牛ウチヒラ。西山さんはワ

今月のジビーフも2頭入荷しています

↑ はるか 今月も2頭のジビーフが入荷してきました。「はる

→もっと見る

  • 2024年7月
     123456
    78910111213
    14151617181920
    21222324252627
    28293031