吉田牧場のブラウンスイス牛「ミモザ」の牛生
公開日:
:
2018/09/01
吉田牧場のブラウンスイス牛
「ミモザ」という名前の牛がいた。仔牛をたくさん産み、いちばん長生きした牛だった。牛舎に牛を入れるとき、なだれ込んで先頭を走ってくるミモザが、その前で滑って倒れた青年に気づき急ブレーキ。後続の牛群を体を横にして食い止めた。なんて頭のいい牛なんだ。そんなミモザが2010年春、足の病気で立てなくなり去っていった。
今年の5月、マンゴーという名の牛が種がつかなくなって肉になった。ミモザの話しを聞いて感動した直後に入荷してきたのだが、なんとマンゴーはミモザの子供だった。胸が熱くなった。
こんなふうに牛1頭1頭に人生、いや、牛生がある。そういった背景もひっくるめて僕はおいしくしてやりたい。僕は定期的に吉田牧場さんを訪ねることにしている。全作さんや原野さんの想いに触れ、僕にできることを一生懸命やるために。
先日、ビガーとボスという2頭の牛が肉になった。この2頭にはいったいどのような牛生があるのか。先に内臓が届いたので、脂がたくさんついたミノを食べてみた。あぁーおいしい。脂に嫌みがなく、すーっと溶けていく。僕の友人たちにはこういう内臓を食べてほしい。そして食べることでいろんなことを知ってほしい。今日は洗いをかけて一晩さらして水を切るので、販売は来週かな
関連記事
-
-
ブラウンスイス牛の移動
昨年から、吉田牧場さんで役目を終えたブラウンスイスの経産牛を滋賀竜王の古株牧場さんに預かってもらって
-
-
手当てしたブラウンスイス牛がかなりおいしく仕上がって本日から店頭で販売しています
移転してまだ一か月しか経っていませんが、なんだかずっと前からこの地で商いやってる感覚です。平
-
-
岡山の料理人たちとブラウンスイス牛
鞍下(肩ロース)はすき焼き&しゃぶしゃぶ、ネックは切り落としかミンチにしかできない、向いてい
-
-
ミモザとマンゴーと吉田牧場と肉屋としての僕のスタイルと
2017年9月19日、2日後に新店舗のオープンを控えてバタバタするどころか僕は余呉の徳山鮓に
-
-
ブラウンスイス牛を食べる会inイルジョット
ついこの間のジビーフたち。奈緒子さんから写真が送られてきたときガトーショコラかと思った。さて