肉汁は肉によりけり焼き方によりけり正解もなく不正解もなく
公開日:
:
2018/08/20
コラム
肉の繊維の断面を先に焼いてから内部の水分を閉じ込めてから焼く云々・・・
この先の文章では、肉汁がでることが悪のように書かれていましたが僕はそうは思いません。たっぷりの油で揚げるように焼いて肉の表面をキャラメリゼすれば肉汁はでにくくなります。ですが、水分調整されていない肉でやれば肉汁はでます。真空パックで保存された肉も同様に肉汁がでやすいよう環境を作ってしまいます。
肉の焼き方についてはプロもアマチュアも持論があって正解なんてないんです。焼く道具であったり、肉との相性であったり、知識であったり、経験であったり。偶然もあるかな。
肉は簡単であり難しくもあり、プロでも今日おいしく焼けたからといって明日は分からないですからね。僕なんか不器用で臆病ですから試食ばかりしています(笑)
肉汁の話しに戻りますが、僕は手当てである程度肉汁の調整をしてしまいます。正確には水分調整です。例えはジビーフ。グラスフェッドで脂肪がほとんどないジビーフは水分がたっぷり含まれています。熟成の段階において水分調整していきますが、枯らしすぎるとジビーフの良さがなくなります。ある程度水分を残しつつ、口の中でジュースが溢れるイメージに仕上げます。
炭で焼かれたジビーフをアルミホイルに包んで休ませると肉汁がでます。その肉汁は飲めるほどおいしくて味があります。もちろん捨てるなんてことはしません。ドレッシングのように肉にかけて仕上げます。旨味を一旦外に出して戻す感じです。
肉に正解なんてありません。料理する方の感覚であり食べ手のセンスだと思うのです。
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