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リムーザン牛をおいしくするために

公開日: : 2018/08/17 未分類

約2年間、リムーザン牛とバザス牛を使い続けてきました。ある方に「フランスで食べるバザスやリムーザンよりおいしくしてほしい」とお願いされてのことだったのですが、1年くらいはうまくいきませんでした。つまりおいしくなってくれない。いや、普通においしいんですよ。でも、僕のイメージとはちょっと違う感じなのです。月齢が30か月以下のものしか輸入できない制約と距離による酸化が思い通りになってくれない原因だというのはすぐに分かりました。

わざわざ日本にもってきてまでやる意味があるのかとも思ったのですが、途中で投げ出すのも嫌だったので、何度かフランスへ行って産地を回り同業の友人に話を聞いたりと、僕なりに試行錯誤してみました。結果としてバザス牛は日本人には合わないと判断しました。現地でのカッティング等々、肉へのダメージが著しく、さらに距離によるストレスがどうしても僕の技術ではカバーできませんでした。

降は比較的ダメージの少ないリムーザン牛に絞って手当てを繰り返しました。まずは酸化の原因になる要素を1つ1つ潰して行くところからはじめました。屠畜から現地での保管日数、日本の空港に到着してからの保管状態、クリアしていくのに時間はかかりましたが、おかげで肉質はかなり変化しました。

薄っぺらい味の乗っていない赤身の肉は2切れくらいで飽きてしまいます。ソースで変化をつければもう少し食べられるのですが、それでは意味がありません。理想通りとはいかないまでも、フランスで食べるリムーザンとはまったく違う肉に仕上がりました。

8/17、L’ARCHESTEの伊藤シェフと和田さんがセジールで腕を奮います。
火の入り方にきっと驚きますよ。

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