プロの仕事ぶりに大いに刺激されながら超繁忙期を迎える年の瀬

今年も残すところあと少し、肉屋はこれからが忙しくなります。年末年始のサービス業は稼ぎ時でもあり、みなさんがゆっくりされているときに一生懸命働いて、みなさんが稼働したころにゆっくり休めばいいと思っています。そうじゃないと全体のバランスがおかしくなってしまいます。遊ぶ人がいれば働く人もいて楽しみが得られるんだと思うのです。
某シェフから、年末年始は「お客様から一年間の成績表を貰える時期です。暇だったら、一年間の反省、忙しかったら来年へのエール」とメッセージをいただきました。心に沁みますね。
今年は昨年より2日早く年内発送のご予約を締め切らせていただきました。老体にムチ打てばこなせないことはないのですが、どうしても仕事が雑になってしまうのです。日付が変わるまでに1日の仕事を終えなければ集中力も途切れてしまい、きれいな仕事ができません。経営者としては目の前の売り上げも大事ですが、対極を見据えた仕事をするほうが来年につながると思うのです。なによりも新年にお召し上がりいただくお肉ですからプロの仕事をしなければ失礼にあたります。
というわけで、年内発送のご注文は、27日の18時をもって締め切らせていただきます。年始の営業は1日をお休みいただきまして、2日、3日と営業させていただきます。代休は4日、5日、6日の3日間とし、7日から通常通りの営業となります。
昨夜は私にしては珍しく鶏すきをいただきました。尊敬する大将から送っていただいたのですが、いきなりお手てがはみ出してるし。

鶏に関しては、本当に気にいったものが見つからないんです。お客様からの熱烈要望をたくさんいただいているのですが・・・見つかりません。丸鶏なら「平かしわ」をオススメしているのですが、単品がないんですよね。全国いろんなところから取り寄せてみたりもしましたが、銘柄鶏はへたすれば牛肉より高いし、価格と味のバランスが合わないんです。だからいまだに探し中・・・
大将も同様だったらしく、ならば自分で飼うしかないか、との結論に達したそうなのです。毎日のお客様分だけ捌いて提供している地鶏はなんとも滋味深くて食感が良いんです。
同梱されていた「しろたまり」で割り下を作ってみたのですが衝撃でした。こんなにおいしい鶏を食べたのはおそらく初めてじゃないかな。鶏自体を食べることが少ないので経験値は低いのですが、それにしてもいろいろと考えさせられました。

こんにゃく(自家製かな?)はシャクシャクとした噛み心地で、なんというおいしさなのか!地鶏にしろたまりにこんにゃく。プロの仕事ってこういうことなんでしょうね。そう思うと私なんてまだまだで、いつになれば納得できる仕事ができるのだろうとしばらく考えさせられました。たぶん一生答えはでないと思いますが、身近にこういう大将がいることが何よりも恵まれた環境であり、大いなる刺激をいただけるありがたき幸せかと思うのです。
関連記事
-
-
ジビーフのような生き方
緊急事態宣言が延長されましたね。さて、解除後の世の中がどう変わるのか、いろんな方がいろんなこ
-
-
お金の匂いがしない料理は疲れない
Le14e茂野シェフを質問攻めにするきたやま南山の江口さんと岡田さん。双方ともに扱う肉は同じ
-
-
絶滅寸前のアルモリカン牛がパリ16区で公平が精肉にして伊藤シェフが料理するというスペシャルな食事会が開催されることになった
ブルターニュのTrè margat/トレマルガットに人口200人という小さな村にボラン農場は
-
-
あるシェフの言葉にシビレて眠れなかった。こういうシェフが指名してくれる肉を育てることが私の目標であり、やらなければいけないこと。その先にあるのは肉屋の社会的地位向上しかない。
あるシェフから送られてきた1枚の写真。僕も参加するはずだった食事会でしたが、翌日の朝が早いた


















