*

今年3頭目のジビーフ「悟空」が入荷。もはや安定の格付けC-1に安堵する

公開日: : 2017/06/04 ジビーフ(完全放牧野生牛)

今年に入って3頭目のジビーフが入荷してきました。2か月に1頭のスローペースですが自然まかせの天然ものなので仕方がないですね。今回も格付けは安定のC-1です。それこそA-5は消費者の方々にもおなじみで、街中の飲食店でもよく見かけると思いますが、C-1を看板にしている店は見たことないですし、そもそもC-1の肉なんて滅多にないですからね。まぁ、自慢するようなことでもないのですが毎回C-1だと和牛農家ならすぐに廃業ですね。

ところで、畜産農家の方から愛情とか感謝といった言葉をよく聞きますが、西川奈緒子さん(ジビーフの生産者)からそのような言葉は聞いたことがありません。これは現地に行って分かったことなのですが、そんな余裕がないのです。

200haの放牧地に年間通して放し飼いにしているため、牛たちの自由気ままな世界ができあがっているのです。ここでは人間が牛の生活に合わせなければいけません。かといって牛になめられたらケガをしてしまいますから、まさしく死にもの狂いで戦わなければいけないのです。

だから愛情とか感謝はジビーフを使ってくれるシェフに対してこそ口に出しますが、ジビーフたちに対しては常に緊張感と距離感を保ちながら接しなければいけないのです。ゴツゴツと音を立て頭突きしながら遊ぶ姿を何度も見ていますが、対人間なら大怪我です。

扱っている僕が言うのもなんですが、食肉としてはけっして褒められたものではありません。サシがたくさん入った肉のほうが使いやすいのは当たり前で、水分が多くて脂がまったくない肉は手当てするにも手間はかかるし日々の観察を怠ればすぐに酸化して腐るので放牧で手がかからない分、肉になってから手がかかります。

西川奈緒子さんは、僕がジビーフを扱うのを辞めれば私も辞めると断言していますが、こんなおもしろい肉を扱わせてもらえるのですからありがたいことです。しかし、世の中儲からないことのほうが楽しいですね。

記事が気に入ったらシェアをしてね

  • twitter
  • facebook
  • google+
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

DUMASの肉会はすばらしかった!そして、ジビーフと愛農ナチュラルポークの入荷情報

愛農ナチュラルポークのウデ肉を使ったパテ・ド・カンパーニュ 中之島ダイビルのDUMAS

記事を読む

肉塾第5回はジビーフのバラを使った料理

6月から始まった肉塾も来月で終わりです。座学と実際に豚ロースやモモを使って骨を外したり筋を引いたりの

記事を読む

肉Meets OF 2014 1st IN Restaurant 愛と胃袋

今年初の肉Meetsは「完全放牧野生牛」の内臓料理を味わおうと全国から三軒茶屋のRestau

記事を読む

9月出荷予定のジビーフ

ジビーフツアーで伺ったときに、木下さん(木下牧場)からアドバイスを受けて、おいしい草が茂って

記事を読む

ジビーフ「コージー」入荷もあいかわらずの肉質に一安心。いや、いつもよりおいしいかも。

今月もなんとか一頭の出荷がありました。9月7日にと畜した「コージー」くん。見た感じは大きく見

記事を読む

和牛・牛肉通販 近江牛.com

https://www.omi-gyu.com
仕事の奥深さ

本日から11月、しかし一年あっという間でなんか怖いですね。同級生ですで

所作

写真は、昨夜、BRUSTAで食べた近江牛ウチヒラ。西山さんはワ

今月のジビーフも2頭入荷しています

↑ はるか 今月も2頭のジビーフが入荷してきました。「はる

→もっと見る

  • 2025年11月
     1
    2345678
    9101112131415
    16171819202122
    23242526272829
    30