12才のお母さんジビーフはちょっと訳ありですが、草の香りがする優さしい味わいです
公開日:
:
2016/05/13
ジビーフ(完全放牧野生牛)
今回、12才になるお母さん牛がお肉になってくれたのですが、足の悪い繁殖牛だったため、モモが30キロ以上割除されました。ずっと足を引きずっていて、少し良くなってはまた挫いて…の繰り返しだったので、草を食べる時以外はずっと悪い足の方を上にして座っていたとのことです。そのために両モモとも削られてしまったのですが、なんとかランイチだけ無事でした。他の3部位がないのは残念ですが、その他の部位をなんとかおいしく仕上げたいと思います。
ここからが肉屋の仕事です。生産者から肉屋へのリレーはあまり評価されることはないのですが、入荷後どのタイミングで骨を外し、どのタイミングでシェフの元へ届けるのかは、毎日枝肉の状態を確認しながら触診できる肉屋でしかできない仕事だと思っています。
先週、枝肉の確認に行った西川奈緒子さんから送られてきた写真を見たのですが、通常なら廃牛になりかねない状態でした。モモが無残な状態だったからです。しかし、せっかく生を受けた牛さんですから、なにかしらのお役にたてればお母さん牛も本望かなと、そんなふうに思いもあってか西川奈緒子さんから、共通の友人が主催の熊本チャリティーに使って欲しいと連絡がきたのです。
もちろん異存はなく、愛農ナチュラルポークと一緒に5月18日に築地「にっぽん漁港食堂」で開催される「がまだして!!熊本チャリティー食堂】で素敵な料理人たちがおいしくして振る舞ってくださいます。
少し試食してみた感想ですが、肉質はいつものジビーフ同様に赤身が強くて草の香りがしましたが、想像していたほど硬くなく、それよりもやさしさを感じる味わいでした。
年内はどうにかこうにかあと6頭出荷できるとのことです。たくさんのお問い合わせもいただいているのですが一般販売はもう少し先になりそうです。
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