宮崎のおやっさんが送ってくれた156ヶ月齢の経産牛を吊るしとドライエイジドで。

出産を経験したお母さん牛を“経産牛”と言うのですが、未経産の牛に比べると、サシや旨み、柔らかさが劣ると言われています。だから和牛でおいしいとされるのは未経産の雌牛なんです。実際はそんなことないんですけどね。去勢でもしっかり手当てをしてやればおいしくなってくれるし、経産牛だって同じです。
経産牛は出産を繰り返すことによって体質が変化し旨味が増します。しかしながら、リスクもあって柔らかさときめ細かなサシを失うのです。脂もクリーム色からイエローに近くなり、肉色も濃くなります。当然ながら肉質も硬くなり、商品価値としては下がってしまうのです。そのために出産前の肉質に近づけるために再肥育をします。期間は生産者によってさまざまですが、だいたい6か月前後でしょうか。その間に栄養価の高い飼料を与えるのです。
写真は、今日入荷したばかりの経産牛(156ヶ月齢)です。数年前に知り合った宮崎の生産者さんから届いたのですが、先日牛舎にお邪魔して牛を見て、そして試食もさせていただき、ぜひ私の手で吊るしとドライエイジドで試してみたくロースを1頭分送っていただいたのです。
飼料に特別なものを配合しているのですが、それが味にどのように影響しているのか、まずはそのあたりが知りたくて、そして熟成させた場合の変化も興味があります。仕上がりが5月末~6月初めを予定していますので、有志のみなさまで食べたいと思います。
関連記事
-
-
格付けは枝肉を評価する「ものさし」なのです
次回の鹿児島産経産牛のドライエージングビーフは4月23日に仕上がる予定です。連休前なので少し多めに
-
-
宮崎の岡崎さんがパイン粕を食べさせて育てている経産牛がとんでもなくおいしくなりました。
2年前だったか、知人の紹介で宮崎の岡崎芳次さん(宮崎県の岡崎牧場)にお会いしたのですが、イベ
-
-
足寄の石田めん羊牧場さんを訪ねて
足寄の石田めん羊牧場さんへお邪魔しました。羊たちは15haの広々とした土地で放牧されていまし
-
-
藤井牧場さんから16歳のお母さん牛
肉塾の滋賀研修で藤井牧場さんへ行ったときに出荷前のお母さん牛に出会った。なんと16歳だ。藤井
-
-
愛農高校から木下牧場まで2日間の産地訪問
「なぜこれらの肉はおいしいのか?」という問いかけに私自身がお答えするのは簡単なのですが、それ


















