仕事とのは相性、私はいまのところ良好なようです
狙って買い付けたA3の近江牛。予想通りモモは赤身が強くてしめしめとほくそ笑んだのですが、ロングロインを捌いて驚きました。めちゃくちゃサシが入っていたのです。どこかでロースだけ入れ替わったのかと思うくらいの落差にガッカリ。本来ならサシが入っていたら儲けものと喜ぶのが肉屋ですが、うちの店はサシが入っているから高く売れるということもなく、あくまでも私がおいしいと思った肉をオススメしていますので、見た目より中身重視といったところです。
さて、東京大学法学部を卒業してボストン大学に入り現在は弁護士として活躍している友人がいます。私とはまったく違う人生を歩んでいる友人ですが、いったいどんな頭してるのかと会うたびに思うのですが、小さな頃からの話しを聞くと、なるほどと腑に落ちることがたくさんあります。要は、彼と勉強との相性が良かったのです。私は勉強との相性が良くなかったので頑張って高校までは勉強と付き合いましたが、19歳で肉の世界へ飛び込みました。おかげさまで肉との相性はいまのところ良好なようです。
今月末に岡山の吉田牧場からブラウンスイスの経産と未経産の2頭が入荷してきます。4月に入るとジビーフの入荷もあります。その間に近江牛も毎日のように入荷してきますし、週末には足寄の石田さんから羊も届きます。
近江牛が直球だとすれば、ジビーフやブラウンスイスは変化球のような立ち位置です。おそらく近江牛のような銘柄牛を扱っていながら、ジビーフのような真逆の牛を扱っている肉屋は全国的にもかなり珍しいと思うのですが、牛ありきではなく人との出会いが私が提唱する肉屋の醍醐味なんです。そして、作り手の生き方そのものが肉に顕著に現れますからおもしろいのです。例えばジビーフの西川奈緒子さんの生き方、苦労されている本人には申し訳ないのですが、おもしろいですよ。(→)吉田牧場は主の全作さんよりご子息の原野さんかな。原野さんと話していて共感するところがあって「よし、なんとかブラウンスイスをおいしくしよう」ってなった経緯があります。
いい生き方をしている生産者というのは人柄もいいんですよね。だからその人の肉を扱いたいと思いますし、ぜったいおいしくしてやると責任も感じるのです。ですから話が合う料理人と出会うと嬉しくなりますし、あぁ~この人にも共犯者になってもらいたいと(笑)
逆にすごく仕上がりのいい肉でも、作り手の人柄に難ありだったら買いたくないですからね。牛にはなんの罪もありませんが肉を触るたびに顔が浮かぶのは嫌ですしね。
生産者も私も料理人も一蓮托生なんです。だからおいしいのです!と胸を張って自慢したい。
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